特許
J-GLOBAL ID:200903060045979910

チタンの精製法及びチタンの精製装置

発明者:
出願人/特許権者:
代理人 (1件): 秋山 敦
公報種別:公開公報
出願番号(国際出願番号):特願平9-163528
公開番号(公開出願番号):特開平11-001728
出願日: 1997年06月06日
公開日(公表日): 1999年01月06日
要約:
【要約】【課題】 本発明の目的は、低級塩化チタンを中間体として、粗チタンから精製チタンを得るに至る一貫した体系化した技術を得ることであり、従来法に比べより高生産性で、かつより低原価のチタンの精製法及びチタンの精製装置を提供する。【解決手段】 反応関与物質と不活性ガスを除くすべての気体が排除された雰囲気中で原料粗チタンとプロセス外から供給される四塩化チタンとを高温において反応させ、低級塩化チタンを得た後、この低級塩化チタンを熱分解して精製チタンを製造する方法である。気密の反応容器内において、所定温度・圧力・所定平衡系で低級塩化チタンを生成する生成工程、低級塩化チタンから四塩化チタンを蒸気として分離する分離工程及び低級塩化チタンを熱分解する熱分解工程から成るプロセスで構成され、プロセス全体としての総合的な物量収支としてはプロセス外から生成工程に供給された四塩化チタンに相当する量の四塩化チタンを分離工程から排出し、プロセス内では生成工程で反応消費した粗チタンに相当する量の精製チタンを熱分解工程で得る。
請求項(抜粋):
反応関与物質即ち四塩化チタン、三塩化チタン、二塩化チタン及びチタンを除くすべての気体が排除された雰囲気中、または反応関与物質と不活性ガスを除くすべての気体が排除された雰囲気中で原料粗チタンとプロセス外から供給される四塩化チタンとを高温において反応させ、低級塩化チタンを得た後、該低級塩化チタンを熱分解して精製チタンを製造する方法であって、気密の反応容器内において、低級塩化チタンを生成する生成工程、低級塩化チタンから四塩化チタンを分離する分離工程及び低級塩化チタンを熱分解する熱分解工程から成るプロセスを構成し、前記生成工程では、チタンと四塩化チタンとが反応した結果形成される諸不均一気相平衡系のうち固相としてチタンのみが安定に存在しうる平衡系、即ち次の2平衡;【化1】【化2】により表される平衡系が形成されるべき温度及び反応関与物質の蒸気の分圧の和として規定される圧力の領域内から選定される温度及び圧力の下において、前記平衡に略到達するまで充分に反応させて得られる低級塩化チタン蒸気及び四塩化チタン蒸気から成る混合蒸気を生成させ、前記分離工程では、前記混合蒸気を冷却することにより、混合蒸気中の低級塩化チタンは固体として、四塩化チタンは蒸気として、相互に分離させ、前記四塩化チタン蒸気はプロセス外に排出し、前記熱分解工程では前記分離工程において得られた低級塩化チタン固体を前記固相としてチタンのみが安定に存在しうる平衡系が形成されるべき温度及び圧力の領域内から選定される温度及び圧力の下に置くことにより、次の熱分解反応;【化3】【化4】を行わせ、精製チタンを得ると共に、この反応に随伴して不可避的に形成される前記2平衡;【化1】【化2】により発生する低級塩化チタン蒸気及び四塩化チタン蒸気から成る混合蒸気を前記生成工程で生成した混合蒸気同様に分離工程で再び冷却し、低級塩化チタン固体と四塩化チタン蒸気を分離し、前記四塩化チタンはプロセス外に排出し前記低級塩化チタン固体は熱分解工程で再び熱分解するという操作を繰返すことにより、両工程の総合的な物量収支として生成工程から供給された低級塩化チタンの殆んどすべてを、次の2反応;【化5】【化6】にしたがって、定量的に精製チタンと四塩化チタンとに変換し、プロセス全体としての総合的な物量収支としてはプロセス外から生成工程に供給された四塩化チタンに相当する量の四塩化チタンを前記分離工程から排出し、プロセス内では生成工程で反応消費した粗チタンに相当する量の精製チタンを熱分解工程で得ることを特徴とするチタンの精製法。

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