特許
J-GLOBAL ID:200903073919451460

硫化および超アルカリ化アルカリ土類アルキルサリチレート・アルキルフェネート型潤滑油用清浄分散性添加物

発明者:
出願人/特許権者:
代理人 (1件): 柳川 泰男
公報種別:公表公報
出願番号(国際出願番号):特願平7-523881
公開番号(公開出願番号):特表平9-512287
出願日: 1995年03月14日
公開日(公表日): 1997年12月09日
要約:
【要約】直鎖アルキル置換基を35〜85%含有するアルキルフェノールから、中和、カルボキシル化、硫化-過アルカリ化、炭酸化、蒸留、ろ過、そして脱気により製造される潤滑油用の分散清浄性添加剤。この方法では、中和段階で、水と共沸混合物を形成して、中和反応にて生成する水の除去を促進する第三の溶媒の存在を必要としない。この発明の添加剤は、加水分解に対する改良された安定性、改良された分散性、改良された混和性、そして改良された泡形成性を有する。
請求項(抜粋):
1。下記の工程を含む製造法によって得られるものであることを特徴とする硫化および超アルカリ化アルカリ土類アルキルサリチレート・アルキルフェネート型潤滑油用清浄分散性添加剤。工程: A)炭素数が12から40、好ましくは18から30の直鎖アルキル基を含む、少なくとも35重量%、多くとも85重量%の直鎖アルキルフェノールと、炭素数が9から24、好ましくは12の分枝アルキル基を含む、多くとも65重量%、少なくとも15重量%の分枝アルキルフェノールとが混合されてなるアルキルフェノールを、アルカリ土類塩基を用いて、炭素数1から4の少なくとも一つのカルボン酸の存在下で中和する工程で、操作は少なくとも215°Cの温度で行ない、中和反応が行なわれる反応容器内の圧力は反応液中の水を除くために徐々に大気圧より低くした状態で、反応液中の水と共沸混合物を作るいかなる溶媒もなしで行なう中和工程。ただし、使用する試薬の量は以下のモル比に合うものとする。 -アルカリ土類塩基/総アルキルフェノール量は0.2から0.7の間、好ましくは0.3から0.5の間、 -総カルボン酸量/総アルキルフェノール量は0.01から0.5の間、好ましくは0.03から0.15の間。 B)出発物質のアルキルフェノールの少なくとも22モル%、好ましくは少なくとも25モル%をアルキルサリチレート(サリチル酸として測定)に変換するために、工程A)で得られたアルキルフェネートを180から240°C、好ましくは190から220°Cの間の温度、大気圧から15×105Pa(15bars)の範囲の圧力で1から8時間、所望により、工程A)または工程B)の最初または最後に加える希釈用オイル100Nの存在下で、二酸化炭素を作用させることによってカルボキシル化する工程、 C)アルカリ土類塩基、沸点が150°C以上、好ましくは175°C以上であるモノアルコール、そして所望によりアルキレン・グリコールまたはアルキレン・グリコールのアルキルエーテルの存在下で、元素状硫黄によってアルキルフェネートとアルキルサリチレートとの混合物を145から180°C、好ましくは150から160°Cの間の温度で硫化および超アルカリ化する工程。ただし、使用する試薬の量は以下のモル比に合うものとする。 -硫黄/総アルキルフェノール量は0.3から1.5の間、好ましくは0.8から1.0の間、 -総アルカリ土類塩基量/総アルキルフェノール量は1.0から3.5の間、好ましくは1.4から3.0の間、 -総アルカリ土類塩基量/沸点が150°C以上のモノアルコールは0.3から0.5の間で、そして、アルキレン・グリコールまたはそのアルキルエーテルを加えた後、もしもまだ総アルカリ土類塩基量/アルキレン・グリコールのモル比が1.0から3.0、好ましくは1.4から1.8の間になるように加えられていなければ、145から180°Cの温度、大気圧に近い圧力で二酸化炭素によって反応液の炭酸化を行なうが、その際に用いられるCO2の量は、反応液に完全に吸収され得る量とその量よりも30%過剰な量との間である。 D)アルキレン・グリコールとモノアルコールとを蒸留によって除く工程、 E)沈殿物をろ過によって除去する工程、 F)そして最後に、80から160°C、好ましくは100から140°Cの間の温度で空気の脱ガスを行ない、ASTM D-130による試験を150°Cで15分、好ましくは150°Cで1時間行ない、銅片試験の分類が1Aになるまでにする脱ガス工程。 2。前記中和工程A)を、少なくとも220°Cの温度、常圧から徐々に減圧し220°Cで最大7000Pa(70mbars)に達する極めて低い圧力の下で行うことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の添加剤。 3。前記中和工程A)を、少なくとも240°Cの温度、常圧から徐々に減圧し240°Cで最大7000Pa(70mbars)に達する極めて低い圧力の下で行うことを特徴とする請求の範囲第2項に記載の添加剤。 4。前記中和工程A)の最後に、得られたアルキルフェネートを、15時間を越えない時間、好ましくは2から6時間の間、少なくとも220°Cの温度で、5000から105Pa(0.05から1.0bar)、好ましくは10000から20000Pa(0.1から0.2bar)の範囲の圧力の中で静置することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の添加剤。 5。前記カルボキシル化工程B)を、200°Cもしくはそれ以上の温度、4×105Pa(4bars)の圧力下で行うことを特徴とする請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか一つに記載の添加剤。 6。前記アルカリ土類塩基が酸化カルシウムもしくは酸化マグネシウムであることを特徴とする前記請求の範囲のいずれか一つの項に記載の添加剤。 7。前記硫化および超アルカリ化工程C)において、カルボキシル化工程B)で得られたアルキルフェネートとアルキルサリチレートの混合物を155°Cまで冷却し、この温度で元素状硫黄を加えて、それから1から2時間かけて徐々にアルカリ土類塩基、アルキレン・グリコールそして沸点が150°C以上のモノアルコールの混合物を150から160°Cの温度を保ちながら加えて行くことを特徴とする前記請求の範囲のいずれか一つの項に記載の添加剤。 8。前記中和工程A)において使用する炭素数1から4のカルボン酸が、蟻酸と酢酸の混合物であり、好ましくはその両酸の重量比が50/50の混合物であることを特徴とする前記請求の範囲のいずれか一つの項に記載の添加剤。 9。主成分としての潤滑油と前記請求の範囲のいずれか一つの項に記載の清浄分散剤添加剤を2から20重量%含む潤滑油組成物。 10。下記の工程を含むことを特徴とする硫化および超アルカリ化アルカリ土類アルキルサリチレート・アルキルフェネート型潤滑油用清浄分散性添加剤の製造法。 A)炭素数が12から40、好ましくは18から30の直鎖アルキルラジカルを含む、少なくとも35重量%、多くとも85重量%の直鎖アルキルフェノールと、炭素数が9から24、好ましくは12の分枝アルキルラジカルを含む、多くとも65重量%、少なくとも15重量%の分枝アルキルフェノールとが混ざったアルキルフェノールを、アルカリ土類塩基を用いて、炭素数1から4の少なくとも一つのカルボン酸の存在下で中和する工程で、操作は少なくとも215°Cの温度で行ない、中和反応が行なわれる反応容器内の圧力は反応液中の水を除くために徐々に大気圧より低くした状態で、反応液中の水と共沸混合物を作るいかなる溶媒もなしで行なう中和工程。ただし、使用する試薬の量は以下のモル比に合うものとする。 -アルカリ土類塩基/総アルキルフェノール量は0.2から0.7の間、好ましくは0.3から0.5の間、 -総カルボン酸量/総アルキルフェノール量は0.01から0.5の間、好ましくは0.03から0.15の間。 B)出発物質のアルキルフェノールの少なくとも22モル%、好ましくは少なくとも25モル%をアルキルサリチレート(サリチル酸として測定)に変換するために、工程A)で得られたアルキルフェネートを180から240°C、好ましくは190から220°Cの間の温度、大気圧から15×105Pa(15bars)の範囲の圧力で1から8時間、所望によっては、工程A)または工程B)の最初または最後に加える希釈用オイル100Nの存在下で、二酸化炭素を作用させることによってカルボキシル化する工程、 C)アルカリ土類塩基、沸点が150°C以上、好ましくは175°C以上であるモノアルコール、そして所望によりアルキレン・グリコールまたはアルキレン・グリコールのアルキルエーテルの存在下で、元素状硫黄によってアルキルフェネートとアルキルサリチレートとの混合物を145から180°C、好ましくは150から160°Cの間の温度で硫化および超アルカリ化する工程。ただし、使用する試薬の量は以下のモル比に合うものとする。 -硫黄/総アルキルフェノール量は0.3から1.5の間、好ましくは0.8から1.0の間、 -総アルカリ土類塩基量/総アルキルフェノール量は1.0から3.5の間、好ましくは1.4から3.0の間、 -総アルカリ土類塩基量/沸点が150°C以上のモノアルコールは0.3から0.5の間で、そして、アルキレン・グリコールまたはそのアルキルエーテルを加えた後、もしもまだ総アルカリ土類塩基量/アルキレン・グリコールのモル比が1.0から3.0、好ましくは1.4から1.8の間になるように加えられていなければ、145から180°Cの温度、大気圧に近い圧力で二酸化炭素によって反応液の炭酸化を行なうが、その際に用いられるCO2の量は、反応液に完全に吸収され得る量とそれより30%過剰な量との間である。 D)アルキレン・グリコールとモノアルコールとを蒸留によって除く工程、 E)沈殿物をロ過によって除去する工程、 F)そして最後に、80から160°C、好ましくは100から140°Cの間の温度で空気の脱ガスを行ない、ASTM D-130による試験を150°Cで15分、好ましくは150°Cで1時間行ない、銅片試験の分類が1Aになるまでにする脱ガス工程。 11。作動油と請求の範囲第1項乃至第8項のいずれか一つに記載の清浄分散性添加剤を0.1から3重量%含む作動油組成物。 12。硫化および超アルカリ化アルカリ土類アルキルサリチレート・アルキルフェネート型の潤滑油用清浄分散性添加剤であって、 a)前記アルキルサリチレート・アルキルフェネートのアルキル置換基は、炭素数が12から40、好ましくは18から30の間である直鎖アルキルの比率が少なくとも35重量%、多くとも85重量%で、炭素数が2から24、好ましくは12の間である分枝アルキルの比率が多くとも65重量%であり、 b)アルキルサリチレート・アルキルフェネート混合物中のアルキルサリチレートの比率は、少なくとも22モル%、好ましくは、少なくとも25モル%であり、そして c)アルキルサリチレート・アルキルフェネート全体に対するアルカリ土類塩基のモル比が1.0から3.5の間 であることを特徴とする添加剤。 13。硫化および超アルカリ化アルカリ土類アルキルサリチレート・アルキルフェネート中に存在する硫黄のモル比が0.25から0.75、好ましくは0.4から0.5の範囲、にあることを特徴とする請求の範囲第12項に記載の添加剤。
IPC (3件):
C10M159/22 ,  C10N 30:04 ,  C10N 40:08

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