特許
J-GLOBAL ID:200903089872910405

和紙製書画等の修復方法

発明者:
出願人/特許権者:
代理人 (1件): 石田 定次 (外1名)
公報種別:公開公報
出願番号(国際出願番号):特願平9-003533
公開番号(公開出願番号):特開平10-193899
出願日: 1997年01月13日
公開日(公表日): 1998年07月28日
要約:
【要約】【課題】 毀損部分のある紙製文化遺産の中の和紙製書画等を、修復前と同等の厚みの確保、修復後の耐久性の向上、中性紙化、その後の修復の簡単化の確保して修復処理できる修復方法を提供することを課題とする。【解決手段】 蒸留水に、和紙原料又は和紙原料と古紙等の補助原料を混合した原料と黄蜀葵根の粘液、着色剤を添加混合して修復用原料液とし、これを漉き容器に紙漉き可能な範囲の適量を投入攪拌する。そして全体を水に濡らした簀子を漉き枠に嵌め、該簀子の上に紗を載せて湿りを付与して皺伸ばしを行った後、紗の上に修復対象紙を重ねて修復対象紙に湿り行った漉き枠を前記漉き容器内へ浸漬して、手漉き要領で漉き枠を揺り動かし、虫食い孔、破れ穴等の毀損部分を紙繊維で塞いで、漉き枠のまま水平に載置して水切りを行う。そして、生乾き状態において漉き枠を外し、修復対象紙上にレーヨン紙を重ねて皺の無い状態とした後、簀子だけを外して張り板に張着乾燥し、最後に紗とレーヨン紙とを外して和紙製の修復対象紙の修復を完了する手段。
請求項(抜粋):
楮、三椏、雁皮等の皮繊維からなる和紙用原料又は和紙製古紙原料の一方又は両方をpH6〜8程度とした水に溶解して手漉き可能状態とするとともに、黄蜀葵根の粘液に代表される粘着剤の必要量を添加混合された修復用原料液を収容した漉き容器を準備する修復準備第一工程に続いて、1 全体を水に濡らした一方向の可撓性と濾過機能を有する濾過シート状部材を漉き枠に嵌める。2 濾過シート状部材の上に、絵絹(紗)に代表される生地又はこれと同等程度の柔軟性及び通水性を具備した漉きシート材を重ねて湿らせ又は水に浸漬した漉きシート材を、皺が形成されないように重ね、若しくは重ねてから皺の無い状態とする。3 漉きシート材上に修復対象紙を重ね、刷毛または霧吹き等の手段によって修復対象紙に湿りを与えるとともに皺の無い状態とする、一連の修復準備第二工程を終了させる。4 前記1乃至3の修復準備第二工程の後、前記修復準備第一工程において準備された漉き容器の修復用原料液内へ、前記修復準備第二工程において準備した漉き枠を浸漬して漉き作業を行い、修復対象紙の毀損部分に修復用原料液中の修復用繊維を平滑に充填する。5 漉き作業終了の後、漉き枠を取り出して水切りと乾燥を行い、生乾き状態となった段階で、漉きシート材と修復対象紙とが積層状態に密着した濾過シート状部材を漉き枠から取り出し、修復対象紙上に押圧用紙を重ねて皺の無い状態とする仕上げ作業を行う。6 次に濾過シート状部材だけを外して、修復対象紙が漉きシート材と押圧用紙とでサンドイッチ状になった積層体を平滑面に張着して乾燥させる。7 乾燥した積層体から、漉きシート材と押圧用紙の両方を除去して修復対象紙の修復を完了する。ところの各工程及び作業を順次実施することを特徴とする和紙製書画等の修復方法。
IPC (2件):
B44D 7/00 ,  B31F 5/00
FI (2件):
B44D 7/00 ,  B31F 5/00

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