特許
J-GLOBAL ID:200903091948487285

同一の空間形状を持つ2つの適用された捕捉磁界を用いる質量分析方法

発明者:
出願人/特許権者:
代理人 (1件): 山崎 行造 (外1名)
公報種別:公表公報
出願番号(国際出願番号):特願平7-500939
公開番号(公開出願番号):特表平9-501536
出願日: 1994年05月25日
公開日(公表日): 1997年02月10日
要約:
【要約】同一の空間形状を持つ2つの捕捉磁界及び任意の補充磁界からなる改良磁界をイオントラップに確立し、その磁界を変えて検出のため選択捕捉イオンを連続的に励起する。2つの四重極捕捉磁界からなる改良された磁界を三次元四重極イオントラップのリング(11)及び端部(12,13)電極から画定された領域(16)に確立し、一方又は両方の捕捉磁界のRF(及び又はDC)成分の振幅(及び又はRF成分の周波数)を変えて捕捉されたイオンを連続的に励起する。また、選択レンジ内の質量荷電比を持つイオンを蓄積することができる捕捉磁界を確立し、補充磁界をその磁界に重畳して第2の選択レンジ内の質量荷電比を持つ不要なイオンを排出するが、その補充磁界はそのレンジ内のノッチ帯域を除く周波数レンジの周波数を成分を持る。さらに、改良された磁界をその後に捕捉磁界を実質的に同一の空間形状の第2捕捉磁界に重畳させることによって確立する。
請求項(抜粋):
1 (a) 選択されたレンジ内の質量電荷比を持つイオンを蓄積することができる捕捉磁界をトラップ領域に確立する工程と、 (b) 少なくとも1つの追加の捕捉磁界を前記捕捉磁界に重ね合わせて前記トラップ領域に改良された磁界を形成する工程であって、前記捕捉磁界及び各前記追加の捕捉磁界が実質的に同一の空間形状を持つ工程と、 (c) 前記改良された磁界を変えて前記トラップ領域で選択されたトラップイオンを励起する工程とを含む質量分析方法。2 請求項1の方法において、前記捕捉磁界及び各前記追加の捕捉磁界は四重極捕捉磁界である方法。3 請求項1の方法において、前記工程(c) は前記改良された磁界を変えて検出のために選択された捕捉イオンを連続して励起する工程を含む方法。4 請求項3の方法において、前記捕捉磁界及び前記少なくとも1つの追加捕捉磁界は相関的位相を持ち、また、前記工程(c) は、 前記相関的位相を制御して質量分解度、感度及び質量ピーク安定性の最適な組み合わせを達成する工程を含む方法。5 請求項3の方法において、前記捕捉磁界及び前記少なくとも1つの追加捕捉磁界は相関的位相を持ち、また、前記工程(c) は、 前記相関的位相をダイナミックに制御して連続的時間期間における質量分解度、感度及び質量ピーク安定性の最適な組み合わせを達成し、前記連続的時間期間において捕捉されたイオンの異なるイオンが検出のために励起される工程を含む方法。6 請求項1の方法において、前記捕捉磁界及び前記少なくとも1つの追加捕捉磁界は相関的位相を持ち、さらに、 前記相関的位相をダイナミックに制御して少なくとも前記工程(b) 及び(c) における質量分解度、感度及び質量ピーク安定性の最適な組み合わせを達成する工程を含む方法。7 請求項1の方法において、前記工程(c) は、 補充磁界を前記改良された磁界に重ね合わせて前記トラップ領域の選択された捕捉されたイオンを励起する方法。8 請求項7の方法において、前記捕捉磁界は、電圧を四重極イオントラップ装置の少なくとも1つの電極に引加することにより生じる四重極捕捉磁界であり、前記少なくとも1つの追加の捕捉磁界は、第2電圧を前記少なくとも1つの電極に引加することにより生じる四重極捕捉磁界であり、さらに、前記工程(c) は、 前記電圧及び前記第2電圧の少なくとも1つのパラメータを変える工程を含む方法。9 請求項8の方法において、前記パラメータは前記電圧及び前記第2電圧の少なくとも1つの振幅である方法。10 請求項8の方法において、前記パラメータは前記電圧及び前記第2電圧の少なくとも1つの周波数である方法。11 請求項8の方法において、前記電圧は振幅V及び周波数ωのRF電圧成分を持つ正弦的基本電圧信号であり、前記第2電圧は振幅Vp 及び周波数ωp の正弦的ポンプ電圧信号である方法。12 請求項11の方法において、前記正弦的電圧信号はDC電圧成分も持つ方法。13 請求項1の方法において、さらに、前記工程(c) を実行する前に、前記トラップ領域にイオンを形成及び注入する工程を含む方法。14 請求項1の方法において、前記工程(c) は前記トラップ領域のガスの存在において実行される方法。15 請求項1の方法において、さらに、前記トラップ内にバッファ又は衝突ガスを導く工程を含む方法。16 請求項1の方法において、前記工程(c) は前記改良された磁界の少なくとも1つのパラメータの変化の割合を制御して所望の質量分析を達成する工程を含む方法。17 請求項1の方法において、前記工程(c) は非連続的ガス分析を実行する工程を含む方法。18 請求項1の方法において、前記工程(c) は補充磁界を前記改良された磁界に重ね合わせる工程を含み、前記補充磁界は、周波数の内選択された周波数又は帯域で少なくとも1つのノッチを含む周波数-振幅域を持つ方法。19 請求項1の方法において、前記イオントラップは質量レンジを持ち、前記改良された磁界は、前記質量レンジを、前記トラップ領域に捕捉磁界のみを確立することによって達成可能なものを越えるように効果的に拡大する方法。20 請求項19の方法において、前記少なくとも1つの捕捉磁界のパラメータは、前記質量レンジを、前記トラップ領域に捕捉磁界のみを確立することによって達成可能なものを越えるように選択される方法。21 請求項19の方法において、 前記捕捉磁界の少なくとも1つのパラメータを変えて、前記質量レンジを、前記トラップ領域に捕捉磁界のみを確立することによって達成可能なものを越える工程を含む方法。22 (a) 選択されたレンジ内の質量電荷比を持つイオンを蓄積することができる捕捉磁界をトラップ領域に確立する工程であって、前記選択されたレンジはイオン周波数の捕捉レンジに相当する工程と、 (b) 補充磁界を前記捕捉磁界に重ね合わせて第2の選択されたレンジ内の質量電荷比を持つ不要なイオンを前記トラップ領域から排出する工程であって、前記補助磁界は第1周波数からノッチ周波数帯域までの低周波レンジ内の周波数成分と、前記ノッチ周波数帯域から第2周波数まで高周波レンジ内の周波数成分とを持ち、前記第1周波数及び前記第2周波数にまたがる周波数レンジは前記捕捉レンジを持つ工程と、 (c) 少なくとも1つの追加の捕捉磁界を前記捕捉磁界を重ね合わせて前記トラップ領域に改良された磁界を形成する工程であって、前記捕捉磁界及び前記少なくとも1つの追加の磁界は実質的に同一の空間形状を持つ工程とを含む方法。23 請求項22の方法において、前記捕捉磁界及び前記少なくとも1つの追加の捕捉磁界の各々は四重極捕捉磁界である方法。24 請求項22の方法において、前記捕捉磁界及び前記少なくとも1つの追加の捕捉磁界の各々は多極捕捉磁界である方法。25 請求項22の方法において、前記工程(b) 及び(c) は同時に実行される方法。26 請求項22の方法において、前記工程(a) 、(b) 及び(c) は同時に実行される方法。27 請求項22の方法において、 (d) 前記改良された磁界を変えて検出のために前記トラップ領域に捕捉された選択されたイオンを連続して励起する工程を含む方法。28 請求項27の方法において、前記捕捉磁界及び前記少なくとも1つの追加の捕捉磁界は相関的位相を持ち、また、前記工程(d) は、 前記相関的位相を制御して質量分解度、感度及び質量ピーク安定性の最適な組み合わせを達成する工程を含む方法。29 請求項27の方法において、前記捕捉磁界及び前記少なくとも1つの追加の捕捉磁界は相関的位相を持ち、また、前記工程(d) は、 前記相関的位相をダイナミックに制御して連続的時間期間における質量分解度、感度及び質量ピーク安定性の最適な組み合わせを達成し、前記連続的時間期間において捕捉されたイオンの異なるイオンが検出のために励起される工程を含む方法。30 請求項22の方法において、 (d) 第2の補充磁界を前記改良された磁界に重ね合わせて検出のために前記トラップ領域の選択された捕捉イオンを励起する工程も含む方法。31 請求項22の方法において、 (d) 前記改良された磁界を変えて前記トラップ領域の選択された捕捉イオンを励起する工程も含む方法。32 請求項31の方法において、前記工程(d) は前記補充磁界をオフに切り換えた後に実行される方法。33 請求項31の方法において、前記工程(d) は、第2の補充磁界を前記少なくとも1つの追加の捕捉磁界に重ね合わせる工程を含む方法。34 請求項31の方法において、前記捕捉磁界は、電圧を四重極イオントラップ装置の少なくとも1つの電極に引加することにより生じる四重極捕捉磁界であり、前記少なくとも1つの追加の捕捉磁界は、第2電圧を前記少なくとも1つの電極に引加することにより生じる四重極捕捉磁界であり、さらに、前記工程(d) は、 前記電圧及び前記第2電圧の少なくとも1つのパラメータを変える工程を含む方法。35 請求項34の方法において、前記工程(d) は、 前記電圧及び前記第2電圧の少なくとも1つの振幅を変える工程を含む方法。36 請求項34の方法において、前記工程(d) は、 前記電圧及び前記第2電圧の少なくとも1つの周波数を変える工程を含む方法。37 請求項34の方法において、前記電圧は振幅UのDC電圧成分と振幅V及び周波数ωのRF電圧成分とを持つ正弦的基本電圧信号であり、前記第2電圧は振幅Vp 及び周波数ωp の正弦的ポンプ電圧信号である方法。38 請求項31の方法において、前記捕捉磁界は、電圧を四重極イオントラップ装置の少なくとも1つの電極に引加することにより生じる四重極捕捉磁界であり、前記少なくとも1つの追加の捕捉磁界は、第2電圧を前記少なくとも1つの電極に引加することにより生じる四重極捕捉磁界であり、さらに、前記工程(d) は、 補充電圧を四重極イオントラップ装置の少なくとも1つの電極に引加することにより前記改良された磁界が補充磁界を含む工程を含む方法。39 請求項31の方法において、前記工程(d) は(MS) n質量分析操作を実行する工程を含んでおり、ここで、nは1より大きな整数である方法。40 請求項39の方法において、前記改良された磁界を変える操作は補充磁界を選択的にオンに切り換える工程を含む方法。41 請求項39の方法において、前記捕捉磁界は、電圧を四重極イオントラップ装置の少なくとも1つの電極に引加することにより生じる四重極捕捉磁界であり、前記少なくとも1つの追加の捕捉磁界は、第2電圧を前記少なくとも1つの電極に引加することにより生じる四重極捕捉磁界であり、さらに、前記改良された磁界を変える操作は、 前記電圧及び前記第2電圧の少なくとも1つのパラメータを変える工程を含む方法。42 請求項22の方法において、前記補助磁界は前記第1周波数から第1ノッチ周波数帯域までの低周波レンジ内の周波数成分と、前記第1ノッチ周波数帯域から第2ノッチ周波数帯域までの中間周波数レンジ内の周波数成分と、前記第2ノッチ周波数帯域から前記第2周波数までの高周波レンジ内の周波数成分とを持つ方法。43 請求項42の方法において、前記補助磁界は前記第2ノッチ周波数帯域から第3ノッチ周波数帯域までの周波数成分と、前記第3ノッチ周波数帯域から前記第2周波数までの周波数成分とを持つ方法。44 請求項22の方法において、前記補充磁界の周波数成分は10mVから10ボルトまでのレンジにある振幅を持つ方法。45 トラップ領域を囲む一組の電極からなるイオントラップを使う質量分析方法において、 (a) 第1電圧を少なくとも1つの前記電極に引加して、選択されたレンジ内の質量電荷比を持つイオンを蓄積することができる捕捉磁界を前記トラップ領域に確立する工程であって、前記選択されたレンジはイオン周波数の捕捉レンジに対応する工程と、 (b) 補充電圧を少なくとも1つの前記電極に引加して、第2の選択されたレンジ内の質量電荷比を持つ不要なイオンを前記トラップ領域から排出する工程であって、前記補助電圧は第1周波数からノッチ周波数帯域までの低周波レンジ内の周波数成分と、前記ノッチ周波数帯域から第2周波数まで高周波レンジ内の周波数成分とを持ち、前記第1周波数及び前記第2周波数にまたがる周波数レンジは前記捕捉レンジを持つ工程と、 (c) 第2電圧を少なくとも1つの前記電極に引加して少なくとも1つの追加の捕捉磁界を前記捕捉磁界に重ね合わせ、これにより、前記トラップ領域内に改良された磁界を形成し、前記少なくとも1つの追加の捕捉磁界及び前記捕捉磁界は実質的に同一の空間形状を持つ工程とを含む方法。46 請求項45の方法において、前記捕捉磁界は三次元四重極捕捉磁界であり、前記少なくとも1つの追加の捕捉磁界は第2の三次元四重極捕捉磁界である方法。47 請求項45の方法において、 (d) 前記改良された磁界を変えて検出のために前記トラップ領域の選択された捕捉イオンを励起する工程も含む方法。48 請求項47の方法において、前記捕捉磁界及び前記少なくとも1つの追加捕捉磁界は相関的位相を持ち、また、 前記相関的位相を制御して質量分解度、感度及び質量ピーク安定性の最適な組み合わせを達成する工程も含む方法。49 請求項47の方法において、前記捕捉磁界及び前記少なくとも1つの追加捕捉磁界は相関的位相を持ち、また、前記工程(c) は、 前記相関的位相をダイナミックに制御して連続的時間期間における質量分解度、感度及び質量ピーク安定性の最適な組み合わせを達成し、前記連続的時間期間において捕捉されたイオンの異なるイオンが検出のために励起される工程を含む方法。50 (a) イオントラップに磁界を確立する工程であって、前記磁界は実質的に同一の空間形状を持つ少なくとも2つの捕捉磁界からなり、また、前記磁界は選択されたレンジ内の質量電荷比を持つイオンを蓄積することができる工程と、 (b) 前記磁界を変えて検出のために選択された捕捉イオンを励起する工程とを含む質量分析方法。51 請求項50の方法において、前記少なくとも2つの捕捉磁界の各々は四重極捕捉磁界である方法。52 請求項50の方法において、前記イオントラップは質量レンジを持ち、前記磁界は、前記質量レンジを、前記トラップ領域に前記少なくとも2つの捕捉磁界の1つのみを確立することによって達成可能なものを越えるように効果的に拡大する方法。

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