研課題
J-GLOBAL ID:200904003825617343  研究課題コード:9911004405 更新日:2001年03月30日

自己免疫と腫瘍との相関 免疫系の制御に携わる胸腺上皮細胞

Correlation of autoimmune with tumors
実施期間:1998 - 1999
実施機関 (1件):
実施研究者(所属機関) (6件):
研究概要:
ヌードマウスは胎児期において胸腺の発育が停止するために,T細胞系の免疫能が獲得されない。このヌードマウスに正常胸腺を移植しておく(TGヌードマウス)と,同マウスは免疫能を獲得する。同系や異系マウスの胎児胸腺を移植に用いた場合には,TGヌードマウスが獲得した免疫系はほぼ正常である。ところが異種であるラットの胎児胸腺をヌードマウスに移植した場合には,異常な免疫系を獲得し,多発性に臓器局在性の自己免疫病が発症する。主な障害臓器は眼(網膜,ぶどう膜,角膜),涙腺,唾液腺(顎下腺,舌下腺,耳下腺)甲状腺,胃,卵巣,精巣,前立腺である。これらの病変は,T細胞が少し末梢に出現した新生時期(生後2日から4日)に胸腺を摘出したマウスにも認められる。障害を受けた臓器からはやがて過形成病変や腫ようが発生することがあり,自己免疫病を基盤病変とした腫瘍の発症が注目されている。本年度はマウスにとってcon-cordantやdiscordantの胎児胸腺やヌードマウスに移植することにより,同マウスに得獲される免疫能を検討した。胎児胸腺は以下の動物から採取した。胎齢14日同系BALB/c,異系NZBマウス,胎齢15日のF344とACIラット,胎齢19日のNZWウサギ,胎齢16日のハムスター,胎齢18日のモルモット,胎齢4週のブタおよび胎齢9週のウシを用いた。それぞれの胸腺は4週齢雌のBALB/cヌードマウスの腎被膜下に移植した。TGヌードマウスは胸腺移植後4か月で屠殺し,各種の免疫学的な検討を加えた。移植胸腺は全ての動物種でよく発育した。免疫組織化学検索により全ての移植胸腺において上皮細胞の網目状の組織構築が観察できたが,ウサギやハムスターの胸腺ではリンパ球の密度がかなり低い例があった。TGヌードマウスの移植胸腺や末梢リンパ臓器におけるホスト由来のT細胞の検索のために,マウスCD3,CD4,CD8あるいはT細胞レセプターに対する特異抗体で染色した。その結果,どの移植胸腺やリンパ臓器においても正常マウスとほぼ同じ染色パターンが観察できた。このことは移植胸腺内にホストのT細胞前駆細胞が入り込み,ドナーの胸腺上皮細胞を基盤とした微小環境で教育を受け,末梢に出たことを示している。また移植に用いた胸腺はすでにドナー由来のリンパ球が進入していることから,このリンパ球が移植胸腺や末梢のリンパ臓器に存在している可能性がある。そこでラット胸腺の移植を受けたTGヌードマウスを用いて,ドナー由来のTリンパ球の存在を検討したが,全てのリンパ臓器においてドナー細胞は陰性であった。TGヌードマウスに羊赤血球を静注して,プラーク形成細胞の数をみることにより,免疫能を検討した。対照に用いた無処置ヌードマウスでは反応がなかったが,種々の造腺の移植を受けた全てのTGヌードマウスにおいて有意な価が得られた。特にウサギの胸腺移植を受けたTGヌードマウスにおいては正常マウスなみの価が得られた。組織学的および血清学的な検索の結果,それぞれのTGヌードマウスにおいて多発性に臓器局在性の自己免疫病の発症がみられた。どのTGヌードマウスにおいても涙腺,卵巣と胃には高頻度に自己免疫病の発症がみられたが,その他の臓器においては胸腺ドナーにより発症頻度が異なった。ハムスター,ウサギあるいはブタをドナーとすると,眼,舌下腺あるいは顎下腺の病変の発症頻
研究制度: 経常研究

前のページに戻る