研課題
J-GLOBAL ID:200904025273905601  研究課題コード:9911004410 更新日:2001年03月30日

腫瘍細胞における細胞核構造の特異的変化 細胞周期およびアポートシス細胞に特異的なヒストンリン酸化の機能解析

Specific alteration of structures of cell nuclei in tumor cells
実施期間:1998 - 1999
実施機関 (1件):
実施研究者(所属機関) (2件):
研究概要:
真核細胞の分裂期(M期)において,核蛋白であるヒストンH3の10位のセリン(Ser10)が特異的にリン酸化される。このリン酸化は,染色凝縮に重要な役割をもつものと考えて研究してきた。このH3リン酸化の機能を細胞学的に解析するために,Ser10を含む13ペプチドから成る合成リン酸化ペプチドを作り,それに対するポリクロナル抗体,pS10/H3を作製した。ヒラ細胞の細胞周期において調べた結果,M期の染色体および,まだ凝縮が始まっていないG2後期の核もこの抗体が反応した。また,M期のうち後期(anaphase)では染色体が凝縮しているにも係わらず,この抗体反応は急速に弱まり,後期(telophase)では反応しなかった。これらの結果は,Allisらのグループが15ペプチドに対する抗体を用いた結果とほぼ同一であった。しかがって,このH3のM期特異的リン酸化は,凝縮の開始機構に拘わっているものと示唆され,少なくとも凝縮の維持には関与しないことが分かった。一方,アポートシス細胞が誘導下で,ヒストンH2B分画がリン酸化されることを見い出して以来,このリン酸化は,1)細胞種,誘導源を問わず,多くのアポトーシス細胞において見られ,2)このリン酸化率はアポートシス誘導率とほぼ比例すること,3)クロマチン凝縮よりもむしろ,DNA断片化に関連すこと,を報告してきた。アポトーシスにおけるH2Bリン酸化の特異性について調べるために,アポトーシス細胞で活性化されるプロテアーゼであるCaspaseとの関係を調べた。ICEまたは,ICEに関連するCaspaseの阻変剤であるZ-Asp-CH..2..-DCBをアポトーシスの誘導時に処理すると,DNAの断片化を阻害すると共に,H2Bのリン酸化を完全に阻害した。しかし,アポトーシスに関連しない他のヒストンリン酸化は阻害しなかった。
研究制度: 経常研究

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