研課題
J-GLOBAL ID:200904050577170025  研究課題コード:0150001545 更新日:2000年12月21日

細胞接着と癌の発生・浸潤・転移および腫瘍血管新生 大腸癌症例におけるセレクチンの新しい糖鎖リガンドシアリル6-スルホLexの発現変化と代謝

実施期間:1998 - 1999
実施機関 (1件):
実施研究者(所属機関) (7件):
研究概要:
癌細胞が血行性転移を起こす際には,血中に流れた癌細胞の末梢の血管内皮表面への細胞接着が,転移の頻度を規定する重要な役割を演じる。この細胞接着は,悪性細胞表面の糖鎖と血管内皮細胞のセレクチンとの特異的結合によって媒介される。我々は,セレクチンの新しい糖鎖リガンドとして,シアリル6-スルホLexを同定した。また,シアリル6-スルホLexはデ-N-アセチルシアリル6-スルホLexに代謝され,さらにシアル酸残基中のカルボキシル基がラクタム環を巻いて,サイクリックシアリル6-スルホLexとなることを見出した。この経路の最終産物であるサイクリックシアリル6-スルホLexは細胞接着活性を欠き,この代謝経路は,セレクチンを介した細胞接着のネガティブ調節機構としての生理的意義を持つ。今年度は,この新しいセレクチンリガンドの発現を大腸癌患者症例において解析し,あわせてセレクチンを介した細胞接着のネガティブ調節機構の大腸癌組織における存在を検討した。シアリル6-スルホLexはG152抗体で検出し,シアリル6-スルホLexの不活化代謝産物のサイクリックシアリル6-スルホLex同定にはG159抗体を用いた。また,培養大腸癌細胞におけるイオノマイシン刺激後の糖鎖変化の時間経過を追跡した。その結果,大腸癌25症例の免疫組織学的検討で,シアリル6-スルホLexは,癌組織より非癌粘膜組織に有意に強く発現していた(p<0.0001)。セレクチンとの結合能を失った代謝産物サイクリックシアリル6-スルホLex(G159抗原)もまた,非癌粘膜組織に有意に発現していた(p=0.0006)。一方,通常のシアリルLexは,CSLEX-1およびSNH-3のいずれの抗体でも,癌組織に有意に発現していた(p=0.0046,p=0.038)。培養細胞株のシアリル6-スルホLexの発現は,刺激後で数分以内に低下し,かわりにその代謝産物サイクリックシアリル6-スルホLex(G159抗原)の発現が亢進した。
キーワード (20件):
癌細胞 ,  血行性転移 ,  血管内皮表面 ,  細胞接着 ,  転移 ,  セレクチン ,  シアリル6-スルホLe<SUP>x</SUP> ,  デ-N-アセチルシアリル6-スルホLe<SUP>x</SUP> ,  カルボキシル基 ,  ラクタム環 ,  サイクリックシアリル6-スルホLe<SUP>x</SUP> ,  ネガティブ調節機構 ,  セレクチンリガンド ,  大腸癌患者症例 ,  解析 ,  大腸癌組織 ,  不活化代謝産物 ,  イオノマイシン刺激 ,  培養細胞株 ,  サイクリックシアリル6-スルホLe<SUP>x</SUP>(G159抗原)
研究制度: 経常研究

前のページに戻る