研課題
J-GLOBAL ID:200904054485213521  研究課題コード:0250005012 更新日:2004年11月01日

愛知県のがん予防情報構築のための病院疫学的研究と地域住民のがん予防への応用

Hospital epidemiological study for preventive information and application for cancer prevention in regional people in Aichi Prefecture
実施期間:1988 - 2002
実施機関 (1件):
実施研究者(所属機関) (6件):
研究概要:
われわれは愛知県のがん予防対策に資するため1988年から愛知県がんセンター病院の全新来患者を対象とした大規模な病院疫学研究(HERPACC-I)を実施してきた。そこでは健康に関連する食・嗜好習慣などの一般的生活習慣について自記式質問紙を用いて調査してきた。第一次調査として2000年12月までに約8万3千人分のデータベースを作成することができた。当センター病院の新来患者の2割弱は新来時にがんと診断され,残りの8割強は非がん患者で,それらのがん患者群と非がん患者群の生活習慣の特性を比較することによってがんの要因を探索することが可能である。これまでに症例対照研究の手法を用いて,多部位のがんの危険・防御要因を疫学的に解析してきた。解析対象とした主ながんは,男女の胃がん,結腸がん,直腸がん,肺がん,膵臓がん,リンパ腫,男の食道がん,肝臓がん,女の乳がん,子宮頸がん,子宮体がんである。対象となる要因項目は一般的な食習慣,18種食物の摂取頻度,運動習慣,喫煙・飲酒習慣,などであった。一方では,がんに関する主要な要因28項目を選び出し,非がん患者群のデータベースを用いた因子分析法によりそれらの要因を6因子に群別し,各項目の因子負荷量から算出した因子得点を基準に,個々人やがん患者群の生活習慣の特性を点検するための解析モデルを開発した。それらの結果を用い,県のがん対策事業の一環として一般の人たちが自己のがんのリスク診断を簡単にできるような健康ゲームソフトを開発し,地域におけるがん予防の啓発に当てている。また,病院訪問者を対象としたがん予防の啓発のためのポスターを作成し,愛知県がんセンター情報広場に展示してきた。このような大規模な病院疫学研究は日本のみならず世界でも始めての試みであり,県がんセンターが県民の情報を県民のがん予防のために還元できる方法を開発した一例と考えている。生活習慣病であるがんは各地域の文化に根ざした生活習慣に関連して流行してくるので,このような大規模な病院疫学研究をさらに継続展開していく必要がある。一方では,将来のがん予防診療を目指し,各個人が罹るがんのリスク診断を的確に出来るようにするため,生活習慣による影響を個人の疾病感受性から再評価するための分子疫学的研究が注目されてきた。われわれは発がんに関連した喫煙・飲酒習慣や食生活習慣などと遺伝的感受性の交互作用を明らかにするため,2001年度から遺伝子多型による生活習慣暴露の影響について検索するための第二次病院疫学研究(HERPACC-II)を展開している。
キーワード (3件):
病院疫学研究 ,  がんの要因 ,  がんの予防
研究制度: 経常研究

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