研課題
J-GLOBAL ID:200904068174280692  研究課題コード:0150001884 更新日:2002年12月28日

快情動発現の分子メカニズム

Molecular mechanisms underlying pleasant emotion
実施期間:2000 - 0
実施機関 (1件):
実施研究者(所属機関) (3件):
研究概要:
物質的豊かさを獲得した現代では,さらなる精神的豊かさをいかに獲得するかが重要な課題である。精神的豊かさを得るための科学的なアプローチとして,精神の座である脳の機能を明らかにすることが考えられる。特に,快情動が脳内に発現する分子メカニズムを解明すれば,真に豊かな精神がどのような脳の状態であるのかを科学的に明らかにすることが可能になると考える。快情動発現の分子メカニズムを解明するための糸口として,申請者らはモルヒネ,コカイン,エタノールなど快情動発現に密接に関係する薬物に注目し,これら薬物の脳内標的分子であるオピオイド受容体,ドーパミン輸送体およびGIRKチャネルの機能解析を行ってきた。本研究では,第一に,快情動に影響する様々な薬物(向精神薬,麻薬,覚せい剤,大麻,内在性ペプチドなど)が,クローン化した受容体,輸送体,チャネルに対してそれぞれどのような影響を持つのかをアフリカツメガエル卵母細胞実験系を用いて明らかにする。第二に,これら受容体,輸送体,チャネルの遺伝子に変異を有するマウスを分子生物学的,生化学的,組織学的,行動薬理学的に解析することで,生体内でのこれらの分子の機能解明を試みる。第三に,これら生体外・生体内での実験結果の整合性を検討し相互の実験方針に応用し合うことで,快情動発現の分子メカニズムの総合的解明を目指す。近年の分子生物学の進歩により,脳内に多種存在する受容体,輸送体,チャネルの中から1種類の分子の遺伝子をクローニングすることが可能になった。クローン化した遺伝子を用いることで,当該蛋白質の作用機序をより正確に同定することが出来る。また,最近の著しい発生工学の進歩により,任意遺伝子の改変動物を作成することが可能になった。特に最近では,遺伝子欠損マウスの作成・解析によって,脳高次機能を分子レベルかつ生体内実験で研究する手法の有効性が示されている。記憶・学習の分子メカニズムの研究においては既にこのような手法の応用が中心的になっているが,情動の研究では今後の応用が期待されている状況である。本研究は,最先端の研究手法を総合的に組み合わせることで,従来では分子レベルでの研究が困難であった情動を研究対象とし,その分子メカニズムの解明を目標とする。研究成果は,精神的豊かさを獲得する上での科学的基盤となると考える。
キーワード (3件):
,  情動 ,  遺伝子
研究制度: 経常研究
研究予算: 2001年度: 1,000(千円)

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