研課題
J-GLOBAL ID:200904072312149079  研究課題コード:9800038790 更新日:2003年12月15日

グリア細胞によるアミロイドβ蛋白の取り込み・処理

Uptake and processing of amyloid beta-protein by glial cells
実施期間:1997 - 1999
実施機関 (1件):
実施研究者(所属機関) (1件):
研究概要:
アルツハイマー病(AD)患者脳では、老人斑を中心に、ミクログリアの強い反応や補体系の活性化が生じている。 これら免疫系の反応は、末梢組織における慢性炎症と多くの点で類似しており、周囲の神経細胞を二次的に障害 していると考えられる。脳の可塑性は限られているので、このような炎症性の組織反応は、基本的には抑制されなければならない。 しかし、抗炎症療法の適用に際しては、これらグリア細胞がアミドロイドβ蛋白(Aβ)の除去にも重要な働きをしている可能性 を考慮する必要がある。AD患者脳では、しばしばAβ染色陽性の顆粒をもつミクログリアおよびアストログリアが認められる。グリア 細胞内に顆粒状に蓄積したAβは、免疫組織化学的にはアミノ末端側のシーケンスに対する抗体では認識されず、α-セクレタ-ゼ切断 部位付近からカルボキシ末端までに認識エピトープを持つ抗体にのみ陽性を示す。本研究では新生仔ラット脳からミクログリアを分離培養し 、ヒトAβを培養液に添加して、Aβの取り込み・細胞内処理を観察した。また、ラット脳にヒトAβを直接注入し、経時的に脳を取り出して 病理組織学的に観察した。培養ミクログリアでは、培養液中のAβ濃度がある程度以上の場合に顆粒状の蓄積が生じ、さらにAβ(-)の培養 液で数日間培養すると、ヒト剖検脳に見られるグリア内Aβ顆粒と同様の免疫化学的な性質を示すようになった。 ラット脳に注入されたAβも、すみやかにミクログリア内に顆粒状に蓄積し、やはり同様の染色性を示した。 AD患者脳でAβ顆粒陽性グリアが多数出現している部位では、Aβ産生がグリア細胞による分解・処理の能力を 上回っているものと考えられる。
キーワード (3件):
アミロイド ,  グリア細胞 ,  分解
研究制度: 経常研究
研究予算: 1997年度: 2,450(千円)

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