研課題
J-GLOBAL ID:200904072723938333  研究課題コード:0150001565 更新日:2000年12月21日

がん細胞骨格異常の分子機序 アポトーシス関連因子と細胞骨格の結合とその生理的意義

実施期間:1998 - 1999
実施機関 (1件):
実施研究者(所属機関) (6件):
研究概要:
単層上皮細胞に特異的な中間径フィラメント(IF)蛋白質は,ケラチン8/18である。最近,ケラチンがTNFα刺激に対する上皮細胞応答を緩和することが示唆されているが,その分子機構は不明である。そこで,ケラチン8/18の機能解析の目的でケラチン8/18の結合蛋白質を酵母two-hybrid法にて検索した結果,tumor necrosis factor receptor 1 associated death domain protein(TRADD)をケラチン18結合蛋白質として同定した。TRADDは他のタイプのIF蛋白質とは結合せず,タイプIケラチンとのみ特異的に結合した。相互の結合部位はTRADDのC端側(death domain)とケラチン18のIa領域であることを明らかにした。TRADDを種々の細胞に発現させると,TRADDはケラチンフィラメント上に局在した。TRADDに対する抗体を新規に作製し内在性のTRADDの局在を検討すると,内在性のTRADDにおいてもTRADDはケラチンフィラメントの局在と一致して分布した。ケラチンフィラメント構築の崩壊を目的にケラチン8の変異体を発現させると,変異体発現細胞ではTRADDのフィラメント様の染色像も消失した。TRADDの抗体を用いた免疫沈降実験などから,細胞をTNFαで刺激すると,高濃度においてのみTRADDとケラチンの局在の解離が認められた。一方,他のアポトーシスを誘導する刺激では,TRADDはケラチンフィラメントと共在し,その分布に変化は認めなかった。今回の我々の結果は,今まで不明であったTNFα刺激に対する上皮細胞応答を緩和するケラチンの機能として,ケラチン18を代表とするタイプIケラチンがTRADDと結合する事により,TNFαからの上皮細胞でのアポトーシスなどのシグナル伝達を調節するという分子機構の一端を明らかにした。
研究制度: 経常研究

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