研課題
J-GLOBAL ID:200904080789117040  研究課題コード:9950000123 更新日:2001年12月11日

生物対流パターン形成における生理学的要因の解析

Analysys of physiological factor on pattern formation of biological convection
実施期間:1997 - 1999
実施機関 (1件):
実施研究者(所属機関) (1件):
研究概要:
繊毛虫などの水中微生物の多くが重力走性を示し 、常に水面下に集合しようとする。細胞の密度が 高くなると、水面下での細胞の集合が過密化し、 細胞が塊状となって落下し始める。上下2方向の 流れによる、このような現象は生物対流として知 られている。生物対流の結果、細胞集団内に密度 の違いが生じる。始めはランダムに起こった不均一 性がしだいに組織化され、細胞密度の違いを反映 した一定の幾何学パターンが形成されてくる。この 現象は、原生動物のような本来独立して活動して いる個々の細胞が作り出す、共同現象の結果であ る。個々の細胞の間には、本来、極弱い協調性 (相互作用)があるが、それが、重力という外力に よって増幅され、空間的に組織化された結果、パタ ーンが出現する。形成される空間パターンは、その 構成要素(細胞)の特性が直接反映されたもので ある。従って、要素間での特性の違いが極小さい ものであっても、重力による増幅(増強)作用により 、形成される空間パターンには大きな違いが生じる ことが予想される。 テトラヒナメの野生株と行動 突然変異株は大きく異なった空間パターンを形成 した。ふたつの株の違いは、繊毛膜上の電位依存 性カルシウムチャンネルの機能だけであって、突然 変異株は繊毛逆転による後退遊泳を行わない。 それ以外の遊泳活性はふたつの株でほぼ同じであ る。ふたつの株で見られた生物体流のパターンの 違いは、重力の作用を通した自己組織化の結果、 個々の細胞の遊泳特性の違いが空間構造の形成 に強く反映されることを示している。2株の混合集団 では両者の中間的特徴を持つパターンが形成され 、パターンの発生が細胞間の相互作用に強く依存 することが示唆された。 生物対流によるパターン 形成には、振とう培養による機械刺激による履歴 効果がみられ、培養直後にはパターンが形成され にくい(形成までに時間を要する)が、いったん形成 されてしまえば、その後はごく短時間の内に再生 される。また、機械刺激受容チャンネルの阻害剤 である、カドリニウムイオン(10μM)が生物対流パ ターンの形成を強く阻害することがわかった。これ らのことは、細胞間の機械的な相互作用を通して 自己組織化によるパターン形成がなされていること を示唆している
キーワード (4件):
生物対流 ,  パターン形成 ,  生理学 ,  機械刺激
研究制度: -
研究所管省庁:
文部科学省

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