研課題
J-GLOBAL ID:200904086920385665  研究課題コード:76 更新日:2013年10月07日

吉田ATPシステムプロジェクト

実施期間:2001 - 2006
実施機関 (1件):
実施研究者(所属機関) (1件):
研究概要:
生物のエネルギーの利用の仕方は、工業的なそれと全く違います。工業で用いられる熱機関は、金属でできていて頑丈で大がかりであり、中央集約的であり、効率は悪く、やっかいな廃棄物を出します。ところが、生物は、体温あるいは環境温度で働く燃料電池や光電池のようなやりかたでエネルギーを使いやすい形に変換しています。その装置は、蛋白質など生体分子で出来ていて柔らかく、ごく小さく、独立分散的であり、効率的であり、廃棄物はリサイクル可能なものばかりです。歴史的にみれば、有史以来、もっぱら人力と牛馬などの生物エネルギーを利用してきた人類が、近代社会に突入したのは、熱機関の登場によって開始された産業革命以来のことです。しかし、現在のようなエネルギーの使い方をする時代が永続できるとは、今や誰も思っていません。そこで、生物のエネルギーの使い方をもう一度、新しいテクノロジーで社会生活に役立てることは、将来の有力な選択肢といえます。高度に機能的なデバイスとして、生体分子はおそらく究極のサイズであり、そのテクノロジーは必然的にナノテクノロジーとならざるを得ません。いま、生物のテクノロジーから学ぶために、生物のエネルギー獲得と利用について、我々の深い知識が必要です。 本プロジェクトでは、生物のエネルギー代謝系である「ATPシステム」の分子機構を詳細に深く探求し、生物のエネルギー代謝に関する私たちの知識の前線を前進させ、これを利用した将来のバイオテクノロジー、あるいはナノテクノロジーに基本的な情報を提供することを目指します。具体的には、史上最小のモーター蛋白質であるATP合成酵素の構造と作用機構、および調節機構を解明すること、ATP合成酵素にエネルギーを供給しているエネルギー変換膜系を徹底的に理解すること、エネルギー変換の出口ともいうべきATPを利用した酵素を研究すること、そして、エネルギー変換系全体を取り巻くように備えられている制御のネットワークとその機構を明らかにすることを目指します。 ここに掲げた「ATPシステム」の全容を明らかにする研究は、将来生物が備えているテクノロジーを工学的に応用していく上で、重要な端緒となることが期待されます。
研究制度: 戦略的創造研究推進事業(総括実施型研究)
研究所管省庁:
文部科学省
研究所管機関:
独立行政法人科学技術振興機構
研究予算: 0(千円)
上位研究課題 (1件):

前のページに戻る