抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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北太平洋中層水(NPIW)の50年規模変動に関して,海洋観測データから作成した等密度面格子データと1949-2005年の大気強制によって駆動した渦解像海洋大循環モデルによる歴史実験データの解析,およびその比較を行った。観測データの等密度面ポテンシャル水温の1977-2004年と1955-1976年の平均の差マップより,NPIWのコア密度面(26.8σ
θ)の水温は亜熱帯西部で有意に低下していることが分かった。歴史実験データには,観測データに類似したNPIWの50年規模の低温化が再現されていた。歴史実験データで見られる低温化は,親潮黒潮混合水域(MWR)で特に顕著であり,水塊の低渦位化を伴う。また,これらの水塊変質は,北太平洋の風成循環境界よりも南に限定されている。モデルの親潮の輸送量は顕著な増加を示すことを合わせて考えると,NPIWの低温化は,親潮中層水の循環境界を横切る輸送量が増加したことに起因していることが示唆される。(著者抄録)