抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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より良い理科教育を行うためには,個々の教育実践を正しく評価し,次の教育実践に向けて改善を図ることが重要である。一方,理科教育実践が,「自然を愛する心情を育てること」などの道徳的な理科の目標の達成や,理科への興味を喚起させるのに効果があったかどうかを測定し,評価することは重要であるが,非常に困難である。このような中,受講生などにアンケートを行うことで,教育実践の効果の測定が試みられてきた。このようなアンケート法の一つとして,FUMIE(Filtering Unconscious Matching of Implict Emotion test)がある。本稿では,授業内容に関係すると考えられるキーワードを用いたFUMIEテストにより,理科教育の実践効果を検証した。まず,信州大学教育学部系の大学生を対象として,「感謝」 「失明」をキーワードにFUMIEテストを実施して,好嫌度の基準値を得た。次に,この学生を対象に実施される解剖授業の授業前後で「解剖」をキーワードとしてFUMIEテストを行い,潜在意識における解剖への好嫌度を測定し,実施によって教育的に逆効果となるかどうかを評価した。この結果,解剖の実施は,解剖への嫌悪感を必ずしも増加させないことが明らかとされた。次に,小学校3~6年生とその保護者に対して,ヒト,及び動物の感覚に関する体験授業の前後で,「感覚」をキーワードとしてFUMIEテストを行い,潜在意識における「感覚」への好嫌度を測定して,「感覚に対する興味関心の増大」を評価した。この結果,授業を実施することで,「感覚」に対する好ましい潜在連想が形成されることが明らかとされた。