抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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京都市近郊のアカマツ林は,1980年代に激化したマツ枯れにより,林相を大きく変化させた。これらの林分の動態を明らかにするため,1997年に毎木調査が行われた4林分の調査地において,2007年に再調査を行い,10年間の林分構造の変化を検討した。1997年に既にアカマツが消失していた林分では,広葉樹林化が進行し,種多様性が低下していた。一方,高木種が少ないマツ枯れ低質林ではアカマツ更新木が多くみられたが,亜高木種より樹高が低く本数が少なかったことから,自然状態ではアカマツ林の再生は期待できないと考えられる。さらに,マツ枯れが高標高域にまで進行し,マツ枯れ低質林が拡大する可能性が示唆された。マツ枯れ低質林をアカマツ林に誘導するためには,アカマツ更新木が多い林分では亜高木種を除伐し,少ない林分ではさらにアカマツの更新を促進するための森林施業が必要となる。(著者抄録)