抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
我々の周りには,どのような元素がどのくらいの濃度で存在しているのか。これを視覚的に一目でわかるようにしたのが地球化学図である。日本の地球化学図をどのように計画して作成したか,更にそれがどのように活用されているかを報告した。日本全土の海と陸の元素分布を調査し,日本の地球化学図を作成したことにより日本列島の陸から海への元素の連続的な流れを知ることができるようになった。地球化学図作成に用いた試料は,陸では河川堆積物3024個,海では海底堆積物4905個で,分析した元素はヒ素,水銀,カドミウム,などの有害元素を含む53元素である。分析はICP質量分析法と原子吸光法を用い,オートサンプラーや自動測定システムを最大限に活用した。特定の地域で確立した方法を適用し,一挙に全国カバーへの展開を実現して,陸域から海域さらに土壌へと対象を拡大している。地球化学図は,人間・産業活動による土壌や海底堆積物の汚染の評価にも使用されており,研究成果は出版やweb公開により,社会的なインパクトを与えている。