抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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1.‘JM1’,’JM7’および‘JM8’は,いずれも1972~1975年にマルバカイドウ‘セイシ’に‘M.9’を交雑して得られた実生群から選抜されたリンゴのわい性台木品種である。1984年に一次選抜され,1985年から‘リンゴ台木盛岡1号’,‘リンゴ台木盛岡7号’,‘リンゴ台木盛岡8号’の系統名でリンゴ台木第一回系統適応性検定試験に供試された。その結果,1996年8月21日付けでりんご農林台9号‘JM1’,りんご農林台10号‘JM7’,りんご農林台11号‘JM8’と命名登録された。また,1999年9月21日付けで登録番号第7443号,第7444号,第7445号として各々品種登録された。2.‘JM1’の発芽期は育成地で4月上旬,開花期は‘ふじ’とほぼ同時期の5月中旬,果実の成熟期は9月中下旬である。果実は扁円形で,25g程度と極小さい。‘JM7’の発芽期は4月上旬,開花期は‘ふじ’より1週間程度遅い5月中下旬,果実の成熟期は10月上中旬である。果実は円錐形で,27g程度と極小さい。‘JM8’の発芽期は4月中旬,開花期は‘ふじ’より3日程度遅い5月中旬,果実の成熟期は9月中下旬である。果実は長円形で,25g程度と極小さい。いずれの品種においても枝梢は太く,直立し,果実は黄色で,極めて酸味が強く,渋みがあるため生食には適さない。3.いずれの品種も休眠枝挿しによる繁殖が可能で,挿し木によって発生した新梢は直立し,生育良好で,挿し木当年に台木として使用可能な大きさの苗木に成長する。‘JM1’と‘JM7’の耐水性は比較的強く,‘JM8’は劣る。リンゴワタムシ,クラウンロット等の主要病虫害に対して抵抗性を有する。しかし,高接病ウイルスのうちACLSVに対しては‘JM1’は感受性であるので,注意が必要である。いずれの品種も野ネズミの食害を受けやすいことが指摘されており,被害防止対策を講じる必要がある。4.台木として利用した場合,いずれも‘M.9EMLA’よりややわい化度の強いわい性台木であると判定され,台勝ちを呈し,多収性の傾向を示した。いずれの品種も気根束,ひこばえの発生は少ない。また,‘ふじ’の果実品質をみると,果肉硬度と糖度が高く,比較的品質の優れた果実が生産される。...(著者抄録)