文献

J-GLOBAL ID：201002204671348777   整理番号：10A0764893

ベニクラゲ(刺胞動物門,ヒドロ虫綱)の不老不死の生活史

著者 (1件)： 久保田信 (京大 フィールド科学教育研究セ 瀬戸臨海実験所)
資料名： 海洋化学研究  (Transactions of the Research Institute of Oceanochemistry)
巻： 23  号： 1  ページ： 20-28  発行年： 2010年04月26日 
JST資料番号： L6053A  ISSN： 0912-4829  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 文献レビュー  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： ヒトが克服できない死は,すべての多細胞動物が子孫を残すことと引き換えに必然的に獲得した性質である。ところが,ベニクラゲは,細胞の分化転換により若返りできる。動物としてのベニクラゲの体で最も大事な部分は,傘の柄にあたる口柄で,これは生殖と摂食を担う部分である。ベニクラゲは,退化の過程でクラゲの体を構成する細胞のあるものはアポトーシスにより死に,別のあるものは分化転換を起こす。すなわち,これが若返りの達成である。これにより,海産の小型動物を刺胞で射止めて食べ,どんどん成長してゆく。

シソーラス用語： *ヒドロ虫類 ,  *ライフサイクル ,  *細胞不死化 ,  口 ,  *細胞分化 ,  アポトーシス ,  退化 ,  生殖器 ,  ハチクラゲ類 ,  動物プランクトン ,  摂食 ,  *生態
準シソーラス用語： *ベニクラゲ ,  Turritopsis nutricula ,  クラゲ ,  口柄 ,  分化転換 ,  若返り

分類 (2件)： プランクトン  (FH02050R) ,  個生態学  (EE03020H)

引用文献 (23件)：

• Carla, E. C., Pagliara, P., Piraino, S., Boero, F. and Dini, L. 2003. Morphological and ultrastructural analysis of Turritopsis nutricula during life cycle reversal. Tissue and Cell, 35: 213-222.
• 川島武士・新里宙也. 2009. クラゲのゲノムが語る進化の“取捨選択”. 科学, 79(4): 405-408.
• 河村真理子・久保田 信. 2005. 和歌山県田辺湾におけるベニクラゲ (ヒドロ虫綱, 花クラゲ目) のクラゲ世代の季節消長. 日本生物地理学会会報, 60: 25-30.
• 久保田 信, 2005a. 神秘のベニクラゲと海洋生物の歌“不老不死の夢”を歌う. 114頁, 1CD. 不老不死研究会, 白浜町, 紀伊民報, 和歌山県.
• 久保田 信. 2005b. 退化しないクラゲロ柄基部より走根を伸張しポリプに若返ったベニクラゲ (ヒドロ虫綱, 花クラゲ目) の成熟雄. 日本生物地理学会会報, 60: 31-34.

タイトルに関連する用語 (2件)： ヒドロ虫綱 ,  生活史