抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本論文では,リスクを空間的に評価する場合に利用される空間計量経済学的手法を,フリーソフトウェアRを用いて解説した。まず,『統計で見る市区町村のすがた2009』のデータを利用し,交通事故発生数に関する相対リスクをポアソン・ガンマモデルを用いてベイズ推定する方法を説明した。DClusterパッケージのempbaysmooth()関数を用いると経験ベイズ推定が行えるが,推定結果が事前情報の与え方に強く影響を受けるのでそれを取り除ける階層ベイズ法による推定方法を示した。次に,カウント・データとして空間的に集計され,モデル化されるリスク・イベントについての一般化線形回帰モデルのベイズ推定手法として,1)ポアソン回帰モデル,2)負の二項分布モデル,3)Zero-inflated Poisson modelの使い方を紹介した。特に,2)では過分散が生じる場合にデータの分布に負の二項分布を仮定したモデルであり,glm()関数に引数family=negative.binomialを用いて推定する。また,3)はゼロに対する過分散を扱うためにイベントの発生数y=0とy>0の場合に異なるモデルを仮定し,psclパッケージのzeroinfl()関数を用いて推定することを説明した。