抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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オランダにおいて,いかに塩素を使用しない水道水の配水が可能になっているかについて論じた。まず,トリハロメタンが発見されてから2005年の完全停止に至るまで,30年以上の歳月をかけて,科学的な知識・技術,その実用化,行政的施策・体制などを積み重ねながら進めてきた点を強調した。微生物的安全確保の上で特筆されるのは,定量的感染リスク評価の実務への導入である。そこでは,水道水から微生物が検出されないからリスクゼロとするのではなく,リスク問題と真摯に向き合う姿勢がみられた。これに加えて,微生物的に安定な水の配水,配水管材質の選定を含む配水管内面での生物膜生成の制御,配水管網の維持管理など,実務上必要と考えられる方策を重ね合わせている。総じて,塩素を使用しないシステムとするために,配水系統で起きる現象を注意深く監視するとともに,維持管理を強力に行っている。安全方策を幾重にも設けることによって,はじめて塩素を使用しない水道水の配水を実現しているとみることができる。(著者抄録)