抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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震災発生時における水不足を回避するためには,需給量を正しく把握することが必要である。本研究では,昼夜人口が大きく異なる東京都千代田区を対象に,首都直下地震時の用途別水需給量を推定し,千代田区における地下水の利用可能性を評価した。震災当日に54,000m
3/d,震災発生後1~3日目には33,000m
3/dの水需要が発生することが推定され,水道水以外の水源から確保することが必要であると考えられた。千代田区内にある30個所の防災井戸を,その水質に応じて独自の簡易な判定基準に基づき分類したところ,震災時における水利用用途として,8個所が消毒のみで飲料水等に利用可能,9個所が消毒・ろ過処理によって飲料水等に利用可能,10個所が消火・業務活動用水として利用可能,3個所が利用不可能と判定された。さらに,その潜在的供給可能量は,塩素消毒のみで飲料水などに利用可能な地下水や,消毒・ろ過処理することで飲料水などに利用可能な地下水,また消火・業務活動用水として利用可能な地下水等から,震災3日後までの水不足を解消するのに十分な水量が確保できる可能性が示された。本研究の結果から,震災時における地下水利用を想定し,計画的な井戸の配置と維持管理を行なえば,飲料水や消火・業務活動用水等としての不足量を解消できることが示唆された。(著者抄録)