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J-GLOBAL ID：201002209919822499   整理番号：10A0331678

ポストドクターのキャリア形成 理論物理学専攻者調査から

著者 (2件)： 中村浩子 (大阪国際大 国際コミュニケーション) ,  岩崎久美子 (国立教育政策研)
資料名： 科学技術社会論研究  (Journal of Science and Technology Studies)
号： 7  ページ： 181-192  発行年： 2009年10月20日 
JST資料番号： L7777A  ISSN： 1347-5843  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 文献レビュー  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 本稿では,理論物理学を専攻するPD及びキャリア変更者を対象に行った2つの質的調査から考察を行う。理論物理学を対象とした理由は,研究実績が企業等への就職に直結しない基礎分野であり,またOD問題が早くから顕在化したことから現在のPD問題の一端を浮き彫りにできると考えるからである。対象の特性と調査の概要を概説し,No1-53のPD卒業者のアンケート調査結果を踏まえ,その課題として,「なぜ転身は阻まれるのか」「キャリア変更には何が必要か」と題して個別の状況を踏まえ詳説した。最後に理論物理学を専攻するPDたちが,研究活動による充足感と将来展望なき不安との相克関係のうちにあり,不安が勝っても「自己否定」の感情がキャリア変更の足枷となりうること。また学会が外部社会から孤立しているだけでなく,学会内部においても個人化の傾向があること。そして一般労働市場も閉鎖傾向にあり,博士号取得者に対する「承認」程度が低い事を見た。指導教員をはじめ研究者の意識転換に向けた取り組みは急務と言えるだろう。

シソーラス用語： *ドクタ ,  *キャリア ,  *理論 ,  *物理学 ,  変化 ,  *調査 ,  企業 ,  就職 ,  基礎 ,  物 ,  学生 ,  問題 ,  処理 ,  行動 ,  充足可能性問題 ,  予測 ,  不安 ,  自我 ,  学協会 ,  労働市場 ,  リーダ ,  研究者
準シソーラス用語： 変更 ,  実績 ,  対象物 ,  卒業生 ,  課題 ,  個別処理 ,  研究活動 ,  充足問題 ,  将来展望 ,  自己 ,  学会 ,  指導者

分類 (2件)： 科学技術教育  (AA04000C) ,  科学技術政策・制度・組織  (AA02000O)

引用文献 (19件)：

• American Physical Society 2007: “APS Gathers Postdoc Best Practices; Comments are Invited,”APS NEWS, 16(3).
• 青木健一1980:「オーバードクター問題: 深刻化する学術体制の危機」『自然』11月号, 52-61.
• クラーク, B.2002: 有本章監訳『大学院教育の国際比較』玉川大学出版部; Clark, B. R. Places of Inquiry: Research and Advanced Education in Modern Universities, University of California Press, 1995.
• ギボンズ, M. ほか (編) 1997: 小林信一監訳『現代社会と知の創造: モード論とは何か』丸善ライブラリー; Gibbons, M. et al. The New Production of Knowledge: The Dynamics of Science and Research in Contemborary Societies, Sage Publications, 1994.
• ギボンズ, M., ウィトロック, B.(編) 1991: 白鳥紀一, 吉岡斉監訳『商品としての科学』吉岡書店; Gibbons, M. and Wittrock, B.(eds.) Science as a Commodity: Threats to the Open Community of Scholars, Longman Group Ltd., 1985.

タイトルに関連する用語 (4件)： ポストドクター ,  キャリア形成 ,  理論物理学 ,  調査