抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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乗法的秘密共有法では,二つの秘密の持ち分をその積の加算的な持ち分に局所的に変換することによって,参加者が秘密を共有する二つの要素を掛けることができる。乗法的秘密共有法は,安全なマルチパーティ計算(MPC)の中心的な構成要素の役を果たす。MPCの分野のオープン問題に動機づけられて,d個の持ち分秘密を局所的に掛け算するd乗法的秘密共有法という,より一般的な概念を導入し,そのような秘密共有法が存在するアクセス構造の種類について考察する。d人の権限を与えられていない参加者が参加者全体にならなければd乗法的秘密共有法が存在することを示すことは簡単であるが,d≧3に対してその逆は自明ではない。本研究の主要な成果は,逆方向の証明,すなわち,参加者の集合がd人の権限を与えられていない参加者である場合,d乗法的秘密共有法は存在しないことの証明である。特に,k人の参加者の間でtプライベートのd乗法的秘密共有法は,k>dtの場合に限って,可能である。この否定的な結果は,任意の(非効率であったり非線形であっても)秘密共有法に対して成り立ち,MPCの状況における秘密共有の有益性の限界を意味する。その証明は,伝達の複雑性の下限によって引き起こされる定量的な議論による。