抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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地球温暖化に対するウンシュウミカンの着花変動における品種間差異を明らかにするため,露地および温暖化条件を想定したガラス室で極早生系から普通系の8品種を生育させ,着花数および発育枝数について調査するとともに,秋季から冬季の樹体内炭水化物含量およびABA含量についても測定した.ガラス室では,すべての品種において開花の早期化および開花期間の延長がみられ,また,特に直花の増加による着花総数の増加がみられたが,発育枝数は早生系および極早生系品種において減少した.ガラス室における直花数の増加は早生系および極早生系品種で顕著であった.根のデンプン含有率は直花率と正の相関関係にあったが,有葉花率との間では負の相関であった.発育枝率はデンプン含有率と負の相関にあった.葉のABA含量と直花数および直花率との間には正の相関がみられ,特に秋季~冬季にかけてのABA含量の増加率と直花率との間には高い正の相関(r = 0.7845)がみられた.以上の結果から温暖化条件下におけるウンシュウミカンでは直花数が増加し,逆に有葉花数は減少する可能性が示唆された.この傾向は普通系品種に比べて極早生系および早生系品種において顕著になると考えられた.(著者抄録)