抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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インドネシアのバタック族(スマトラ島の中央北部に位置するトバ湖の周りを中心に生活している民族)の伝統的民家を現地調査し,その住居での,室内外の温熱・風環境を実測調査から以下の知見を得た。1)屋根の妻壁にある複数のスリット,垂木受と屋根板の間,床板の隙間などから通風が得られ,建物内は換気が十分できる環境である。2)船型の大きな屋根は,日中,広場に広い範囲で影をつくり屋外地表面温度の上昇を抑える役割を担っている。3)屋外におけるSET(標準新有効温度)の値は,日射の強い時間帯は28~35°Cで,日中屋外では厳しい暑さ環境である。4)母屋の居間における垂直温度分布では,12時・15時は日射の影響により屋根面付近が40°C以上と非常に高くなるが,居住域は30°C程度で,大きな屋根が熱溜りを形成し,居住域が高温とならない働きをしている。垂直湿度分布から,床下空間より居室内の方が湿度が低く,多湿地域における高床式の有効性を確認できた。