抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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文献に依ると包晶反応は通常の拡散律速経路か,もしくは無拡散変態プロセス経路,の二つの異なる経路のいずれかにおいて起こることを示している。変態プロセス経路はクラックに対しより敏感なプロセスとなるというのが仮説である。この仮説とは,この反応は拡散律速反応よりもはるかに速く,そして材料が非常にクラックセンシティブである温度において,凝固プロセス末期に起きるという事実に基づいている。この仮説を立証するための実験をアドバイスすることは困難であるが,本研究においてこの仮説を立証するための新しい実験方法を開発した。研究はFe-Cu二元合金,高速度鋼4HS64,低合金鋼22378,および22001で実施された。実験はミラー炉を組み合わせたMTS引張試験機を用いて行われた。試料Fe-Cu合金試料は直径4mm,他の合金試料は直径8mmである。それぞれ軸方向中心に1.5mmの孔を開けてサーモカップルを挿入した。凝固過程の試料温度ならびに力の変化を測定した。幾つかの包晶鋼の凝固中に観察された引張力の増加は凝固収縮に起因するものと考えられた。液相線/固相線間温度にて起きる引張力の急激な低下は包晶変態に随伴する体積変化に起因するクラック生成に依って引き起こされる。ミクロ偏析の検討は包晶反応が拡散律速かあるいは無拡散(ショートレンジ拡散)変態として起きたことを示した。無拡散変態における収縮引張力は拡散律速の反応に比してより高い率で変化した。なお,収縮力測定は無拡散変態の場合により大きな低下を示した。Fe-CおよびFe-Ni系に関する包晶反応速度の理論的計算は大きい冷却速度ほど包晶変態速度が大きく,クラック生成の確率が高いことを示している。また,計算が示すところによると,一次析出フェライトの割合が大きい合金ほど大きい変態速度を示した。