抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
励起源遮断後も,発光が長時間継続する蛍光体は,長残光性蛍光体として夜間塗料等に利用されている。蛍光を持続させるために,トリチウムやプロメチウムといった放射性同位元素を励起源として蛍光体に添加して用いていたが,人体や環境への影響が懸念されるために,放射性物質を含まない安全な長残光特性を示すアルミン酸ストロンチウム系の高輝度長残光体蛍光体の開発・改良が注目されている。本研究では,ブルーグリーンの発光を示すSr
4Al
14O
25:Eu
2+,Dy
3+蛍光体の光学的性質と合成条件の関係性の解明,および発光特性の改良を目的とした。SrCO
3とAlO
3を主原料とし,賦活剤としてEuO
3を,助賦活剤としてDy
2O
3として,Sr
4-x-yAl
14O
25:Eu
x,Dy
y(X=0.04,y=0.06)となるように調合し,フラックスとしてH
3BO
4を添加し,焼成試料を作成し,粉末XRD測定,ESR測定,発光スペクトル測定,残光輝度測定,SEM観察を行って,評価し,以下のことが分かった;(1)フラックス添加量は,母結晶相または粒径に影響を与え,その結果,長残光特性には顕著な変化は認められなかったが,発光ピークの波長や強度に変化をもたらした。(2)ESR測定により,Ar中で冷却した試料のEu
2+シグナル強度はH
2中で冷却した試料と比較して弱く,Ar中の冷却過程でEu
2+がEu
3+に酸化されたと推定した。(3)H
2中で冷却した試料の発光スペクトルは,Ar中で冷却した試料の発光スペクトルよりも強く,残光時間も長かったことから,発光強度を高め,残光時間も長くするためには,冷却過程でのH
2還元が不可欠であった。