抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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迅速かつ特異的なgyrBベースのリアルタイムPCRシステムはヒト特異的な糞便汚染の指標としてのBacteroides fragilisの検出のために開発されている。その特異性と感度を,近縁関係にあるBacteroides属とPrevotella属を用いて,他の16S rRNA遺伝子ベースのプライマーとの比較によって評価した。Bacteroides属はヒト糞便中に比較的豊富で,微生物源追跡に役立つので,多くの研究ではこの属を標的する16S rRNA遺伝子ベースの方法を用いている。しかし,16S rRNA遺伝子ベースのプライマーは進化的に分類群にあまりにも多く保存されているので,Bacteroides属及び近縁関係にある属(Prevotellaなど)のヒト特異的な種を区別できない。最近,ハウスキーピング遺伝子の1つ,gyrBがより多い系統発生的解明を提供するため,多遺伝子座配列分析(MLSA)で代替標的として用いられている。本研究では,322のgyrB遺伝子の配置によって新しいB.fragilis特異的プライマーセット(Bf904F/Bf958R)を作成し,B.fragilis,B.ovatus及びPrevotella melaninogenicaの存在下で16S rRNA遺伝子ベースのプライマーの挙動と比較した。単位複製配列は配列決定され,系統樹はB.fragilisへのプライマーの特異性確認のために作成した。gyrBベースのプライマーはB.fragilisを,B.ovatusやP.melaninogenicaと良好に判別した。リアルタイムPCR結果は,gyrBプライマーセットがB.fragilis検出で16S rRNAプライマーセットと同程度の感度を示すことを明示した。このgyrBベースのプライマーセットの宿主特異性はヒト,ブタ,雌ウシ,イヌの糞便試料で認証した。gyrBプライマーシステムは優れたヒト特異性を示した。gyrBベースのシステムはヒト特異的糞便源を迅速に検出でき,ヒト汚染源追跡改良法に利用可能である。Copyright 2010 Elsevier B.V., Amsterdam. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.