抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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水素分子イオンの1電子結合を主要な題材として,原子間に引力が働く仕組みを通常とは異なる角度から解説した。二つの陽子と一つの電子からなる系は,電子基底状態にある場合,一つの陽子と一つの水素原子として存在するよりも二つの陽子の間に一電子結合が形成した分子状態の方がエネルギー的に安定になる。ハミルトニアンに含まれるCoulombポテンシャルのうち,唯一,電子-原子核間ポテンシャルのみが負になる。つまり,いくつかの原子核と電子がまとまり,一つの複合体として安定な原子や分子として存在できるのは,正の電荷をもつ原子核と負の電荷をもつ電子との間に働くCoulomb相互作用がその源にあるといえる。水素分子イオンの軌道関数の計算結果を図示したが,最近では,分子軌道概念を使用せずに,分子の厳密な波動関数を計算することも行われている。