抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2010年2月に発生したベルギーの列車衝突・脱線事故について,このような事故に至った背景を述べた。1)欧州連合特有の「上下分離」政策により,列車を運行管理する組織「上」とインフラを管理する組織「下」が分離されている。信号システムの導入も「上」「下」別々に進められたため,列車自動停止機能を備えたシステムが車両側には装備されていなかった。2)ERTMS(欧州統一運行管理システム)の導入促進のため,既存システムの更新が厳しく規制されており,ベルギー鉄道の安全対策の遅れにつながった。3)ベルギー鉄道グループ3社のトップ職を有力政党間で分け合っており,各社間に厚い壁が生成されていた。4)これらの状況の中で安全やサービスに対する責任が置き去りになった。お客様の命に関わる業務を遂行している企業には,自らのマネジメントの中に潜む問題を常に認識する義務がある。それを放置するとどういうことになるか,今回の事件は物語っている。