抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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鉄道の分野で電子化の遅れていた,軌道回路,信号機にかかわる根本的な技術革新が間近になったので本稿で紹介する。鉄通信号では,列車の位置情報が最重要な制御の基本情報であるが,従来はレールを列車の車輪と車軸によって短絡することで,これを検出する軌道回路という仕組みを100年以上も使ってきた。この列車位置検知を,レールを使わずに車上主体で行うようにするものである。この新しい方式の無線式列車制御システムでは,車上の速度発電機と車上データベースを基に列車位置を算出し,この位置情報を基にして,地上から他の列車への停止限界や,進路制御,踏切制御などを行う。その結果,鉄道固有の信号という長年続いた保守的な技術が,制御のソフト化とネットワーク技術などの新技術が導入され,ほぼ完全に置き換えられることにより,多方面に大きな変革効果が生まれる。これにより,従来の信号機,軌道回路などの機器を安全に制御するという考え方から,安全な列車進行という最終のサービス機能の安全性に重点が移ることになる。ほとんど通常のコンピュータ技術・ネットワーク技術に置き換わることになり,必然的に従来鉄道信号の主要な考え方であったフェールセーフ自体がシステムトータルで実現されることになる。信号技術の根本である安全の実現支術が変更されることになる。これにより踏切制御や逆線走行,保守作業の安全確保など列車運行にかかわる豊富な機能の実現が可能となり,ハード性能に制約されない多様な安全制御が実現できるようになる。