抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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東京地下鉄株式会社(東京メトロ)のトンネルの維持管理は,日常の線路巡回および2年ごとの法定定期検査において,目視と必要な箇所のハンマーによる打音により,コンクリート表面のひび割れや漏水,浮きなどの各変状の抽出と進展性を確認している。今後,耐用年数60年を経過したトンネルが多くなるとともに,ベテラン技術者の退職,説明責任の強化といった状況から,トンネルを含めた土木構造物の維持管理における一層の質の向上,効率化,客観性の確立および長期的視点での計画策定が求められている。そこで東京メトロでは近年,建設年次の古い区間や変状の多い区間,塩分濃度が高い区間において,コンクリート強度や中性化深さ,塩分濃度,鉄筋腐食度といった劣化指標データを測定し,工学的根拠に基づく診断を行うことで,より客観的な判断での長期対策計画策定に注力している。また,検査精度の向上や履歴の一元管理を目的としたデジタル画像による管理図の構築も順次行っているほか,劣化指標データとリスク評価による客観性・理論性の高いアセットマネジメントシステムの開発にも取組んでいる。本報告では高齢トンネルの診断事例と全路線への展開,維持管理情報の可視化・デジタル化,アセットマネジメントシステムの開発などについて現状を紹介した。