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J-GLOBAL ID:201002227182088975   整理番号:10A0355769

統合失調症の遺伝的マウスモデルでみられる海馬-前前頭皮質間同期性の障害

Impaired hippocampal-prefrontal synchrony in a genetic mouse model of schizophrenia
著者 (7件):
資料名:
巻: 464  号: 7289  ページ: 763-767  発行年: 2010年04月01日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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脳の領域間の機能的連絡に異常を来すことが,統合失調症の背景にある重要な病態生理学機構だとする仮説がある。特に,患者の脳活動の巨視的計測から,前頭葉と側頭葉の間の機能的連絡が変化している可能性が示唆されている。しかし,そのような連絡の異常が,統合失調症の原因なのか結果なのか,神経回路活動にどのような形で表れるのかは,わかっていない。統合失調症には強い遺伝的要素があるため,遺伝的リスク因子の動物モデルは,この病気の病因や病態生理の理解を助けるものと期待される。今回の研究対象となったDf(16)A+/-マウスは,統合失調症の遺伝的リスク因子として知られている最大のものの1つであるヒト22番染色体(22q11.2)の,微小欠失のモデル動物である。このマウスの機能的神経連絡を調べるため,統合失調症で障害を受ける認知機能の1つである作業記憶を必要とする学習課題の実行中に,海馬と前前頭皮質の間の神経活動の同期度を測定した。野生型マウスでは,ラットでの既存報告と同様に,海馬-前前頭皮質間の活動同期度は,作業記憶実行中に増大した。Df(16)A+/-マウスでは,この課題の学習に障害があるだけでなく,海馬シータ振動への前前頭細胞の位相ロックの測定や,前前頭皮質と海馬の局所電場電位のコヒーレンスの測定でも,同期度は顕著に低下した。また,訓練開始時の海馬-前前頭皮質間コヒーレンスの大きさから,その後Df(16)A+/-マウスが当該課題の学習に要する時間を予測でき,かつ,この値は課題学習の獲得中,野生型より緩やかに増大した。これらのデータは,統合失調症患者にみられる機能連絡の障害が単一ニューロンレベルでどのように起こるかを示唆している。また,この知見から,神経活動の長距離同期の障害が22q11.2欠失の1つの結果であり,統合失調症の背景にある病態生理の基本要素の1つである可能性が示唆される。Copyright Nature Publishing Group 2010
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分類 (1件):
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中枢神経系 

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