抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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鉄道変電所から出火しライフラインに影響を及ぼした火災の発生事例の紹介である。2008年4月,鉄道変電所で発生した地絡による火災に起因して,首都東京の大動脈である鉄道路線が7時間以上にわたり不通になるとともに周辺建物の電気設備等が焼損するなど,ライフラインに多大な影響を及ぼした。火災の燃焼状況は建物ぼやである。燃焼物件は,き電盤操作盤等3件,地絡経電器,保安器等である。関連火災として,地絡電流に起因して周辺建物の電気設備や電話線等が損傷するぼや火災7件が発生した。同時に発生した複数の火炎に対し,ライフラインの早期復旧に向け組織的な消火活動を行った。本施設は,電車に電源を供給するための変電所で,交流22000Vを受電し直流1500Vに整流して,き電線に送電している。ビニールの焼けるような臭いがし,ダクトから灰色の煙が出ているのを発見した。直ちに遠隔監視所に連絡し,消防署へ通報した。消火は,二酸化炭素消火設備が作動し消火に至った。現場見分状況及び鑑識見分状況を述べた。出火原因は,変電所内に設置された「き電盤内遮断器」の電源接続部の接触不良により接触抵抗が高まり発熱溶融し,絶縁が破壊されアーク放電が発生して地絡したものと判定された。遮断器に対し,せり出し防止のロック機構を取り付け,接地線の点検を行う等の火災予防対策を述べた。