抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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音楽や映像(メディアコンテンツ)の断片そのものをキーとする情報検索が行われる場面が増えている。コンテンツそのものの情報でデータベース照合を行う技術は時系列探索技術と呼ばれ,音響/映像指紋技術と呼ばれることもある。本稿ではこの技術の概念,応用,課題,および,今後の展開について述べた。時系列探索では,問い合わせ用の信号の全体,または,数秒間程度の断片(目的信号)を,事前に用意した信号(参照信号)の各部分と順次照合することで,目的信号の中に参照信号が含まれるかどうか,また,含まれる場合にはどの参照信号のどの区間かを特定するということが基本タスクである。時系列探索の用途は,動画共有サイトの普及や,テレビやラジオの放送番組の多様化などがきっかけとなって近年大きく広がっている。時系列探索技術はコンテンツからの特徴抽出の処理と,特徴に基づく探索処理から成り立っており,技術的課題は正確さ(頑健性・判別性)と速さ(計算効率)の実現にある。探索の正確さと速さは10年前に比べて劇的に向上した。このような技術は今後も進歩が予想される。また,技術の普及では,例えば,パソコン上のメディア再生ソフトや,携帯電話,カーナビ,情報家電などに搭載されることが予想される。また,文字情報などとも併用しながら新たらしい応用も開拓されていくであろう。