抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ガーナ国において,改良タウンヤアグロフォレストリープロジェクトは,農民を対象とする最も重要な植林活動である。このプロジェクトの実施状況は,対象となる農民の生活,森林や農業に対する意識,農耕方法に大きく影響すると思われる。農民は,移住(他地域から移住してきた住民)と先住(以前より地元に居住していた住民)に分類することができ,それぞれ異なった生活手段を特徴としている。そこで,本論文では移住農民と先住農民による農業における土地利用の違い(具体的には,農作物の違いや例えば作物のコンビネーションなど多様性の違い)とプロジェクトの実施状況との関連性について検討することにした。調査は,2009年8月にガーナ国,アシャンティ州オフィンソ地区アスボイ村における44名のタウンヤ農家に対して行った。分析にはχ
2を中心とした検定をおこなった。分析の結果,先住農民は移住農民に比べて多様性に富みより多くの作物を栽培していた。また,先住農民は,より多くの木本作物を栽培し,移住農家は1年生作物を栽培している割合が高かった。一方,移住農民は先住農民と比較してより多くの植林地であるタウンヤ実施地を獲得し,農作物の生産量や販売量も多かった。先住農民の農耕方法は,多様性に富み土地を酷使せずに土地の生産性保全に適しているが良好な実施状況ではなかった。移住農民はプロジェクト拡大や樹木の成長を促すなど植林プロジェクトに協力的であり,短期間にプロジェクトを発展させると結論づけた。(著者抄録)