抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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米国における公共図書館の集会室と展示空間へのフリーアクセスの問題を取り上げて,図書館における知的自由の歴史的展開過程について裁判事件を通じて概観した。米国図書館協会の方針との重要な関わりがある裁判事件1)「アメリカを懸念する女性」事件(1989年),2)クリストファー・ファイファー事件(2000年),3)「ゲイ・ガーディアン」事件(2002年),4)フェイス・センター事件(2006年)について公立図書館(被告)の集会室等の利用方針と利用禁止措置の理由,利用者団体(原告)の主張,裁判所の論理的展開と判決について概観した。1)と2)の裁判は,宗教団体が一般向けの会合やワークショップを開くことを集会室の通常の利用と把握して原告の訴えを認め,米国図書館協会も判決を追認した。3)と4)では宗教的な礼拝をめぐり図書館の対応は新たな段階を迎えた。取り上げた4つの裁判事件の共通点を,1)集会室(展示空間)を制限的パブリックフォームと把握している,2)世俗的な事柄を宗教的観点から討論するような集会を図書館は拒否できないなどに整理した。「図書館」部分と「集会室」部分の主題や内容面での扱いの整合性と公立図書館存在の思想的な統合性の構築について言及した。