抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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細菌のスウォーミング(遊走)運動について概説した。研究に用いる培養条件の問題や実験目的あるいは分離方法の問題から,遊走運動を行う細菌は本来の数よりも少なく見積もられている。遊走運動を行う細菌として,Bacillus subtilis,Salmonella entericaあるいはYersinia entercoliticaが報告されているが,それぞれの細菌ごとに必要な条件が異なる。遊走運動と鞭毛およびラフティングの増加は相関しているが,その増加の意義はまだ解明されていない。界面活性物質合成も遊走運動の亢進と相関しており,界面活性物質合成欠損株を用いた解析から,リポ多糖が湿潤剤ではなく調節因子として寄与することが分かっている。遊走と付随した表現型として,細菌が培地に接してから遊走が開始するまでの時間のずれ,細胞伸長およびコロニーパターン形成があり,これらの表現型にも特定の遺伝子が関わっていることが分かっている。走化性と遊走の関連性や固体表面の認識機構については不明な点が多く,今後の解析が待たれる。