抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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トウフ粕のサイレージ化における発酵基質の違いが品質と栄養価に及ぼす影響を検討するとともに,そのサイレージを長崎県作出のつしま地鶏肉用交雑鶏(以下,つしま地鶏)に給与した場合の飼料利用性,産肉性ならびに肉の食味性を明らかにした。生トウフ粕にフスマ,米ヌカあるいは白ヌカを7:3の割合(原物重比)で混合し,密封室温保存してトウフ粕サイレージを調製した(以下,フスマ区,米ヌカ区および白ヌカ区)。(1)貯蔵6週目の各区のpHは4.2以下であり,フスマ区と米ヌカ区の乳酸含量は2%以上であった。また,米ヌカ区と白ヌカ区のV-SCOREは90点以上となり,フスマ区より優れた発酵品質を示した。フスマ区,米ヌカ区および白ヌカ区の代謝エネルギー(以下,ME)ならびに粗蛋白含量(以下,CP)は1.71,1.84および1.55kcal/g,9.9,9.7および7.9%であった。(2)12週齢のつしま地鶏♀36羽を用いて,市販配合飼料(ME:2.8kcal/g,CP:14.0%)のみを給与した区,市販配合飼料と各サイレージの混合飼料(原物重比で7:3)を給与した区の計4区を設け,25週齢まで肥育したところ,終了時体重と飼料要求率には各区間で有意差がみられず,解体成績についても同様であった。肉の食味性についてもムネ肉とモモ肉では各区間に有意差が認められなかった。以上より,トウフ粕をフスマ,米ヌカおよび白ヌカのいずれかの発酵基質を用いて,サイレージ化することで保存性が高まり,とくに米ヌカならびに白ヌカを添加することで発酵品質が高まることが明らかになった。また,トウフ粕サイレージは肉用系地鶏に対し給与飼料の一部を代替しても慣行飼料給与の場合と飼料利用性や産肉性の面で遜色なかったことから,自給飼料として十分に利用可能であることが示された。(著者抄録)