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J-GLOBAL ID：201002235442592489   整理番号：10A0945084

ラオス平野部の農村における水田の拡大過程-首都ビエンチャン近郊農村を事例として-

Expansion of Lowland Paddy Field Areas in the Plain Region of Laos: Case Study of a Farm Village in the Suburbs of Vientiane

著者 (3件)： 足達慶尚 (岐阜大 大学院) ,  小野映介 (新潟大 教育) ,  宮川修一 (岐阜大 応用生物科学)
資料名： 地理学評論  (Geographical Review of Japan Series A)
巻： 83  号： 5  ページ： 493-509  発行年： 2010年09月01日 
JST資料番号： L0477B  ISSN： 1883-4388  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 短報  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 本稿では,ラオス中部のビエンチャン平野に立地するドンクワーイ村を対象として,1952年以降の水田の拡大過程と世帯増加・自然条件・農業政策との関連性を検討した。同村では,2005年時点で約90%の世帯が自給的な天水田稲作に従事している。天水田の開田は世帯数の増加に対応して進められ,その面積は1952年から2006年の54年間に約4.3倍に増加した。特に1980年代から1990年代にかけて急速に開田が進行し,雨季の河川の増水による湛水リスクのある低地へも天水出域が拡大した。政府による農業の集団化政策を受けて,村では1979年に農業組織の一形態である水田協同組合が組織されたが,生産米の分配方法に対する不満から大半の世帯は1年で脱退したため,同政策による天水田面積の増減は生じなかった。ただし,組合に残った一部の世帯は河川の氾濫原を利用した浮稲栽培や乾季の灌漑水田稲作を開始し,稲作形態が多様化した,浮稲栽培や灌概水田稲作は,組合の解散後も受け継がれ,多くの村民が携わるようになったが,1997年以降の潅漑水田面積は微増にとどまっている。乾季作の作付面積は,割高な灌漑設備の維持・使用の費用と,雨季作の収穫状況を踏まえて増減調整がなされており,雨季作の不作時におけるセーフティー・ネットとしての性格を有する。(著者抄録)

シソーラス用語： *ラオス人民民主共和国 ,  平野 ,  *農村 ,  *水田 ,  *拡大 ,  *過程 ,  立地 ,  *首都 ,  時期 ,  家庭 ,  条件 ,  *農業政策 ,  雨季 ,  集団 ,  開発 ,  生産 ,  湛水 ,  協同組合 ,  都市郊外 ,  栽培 ,  形態
準シソーラス用語： 1952年 ,  2005年 ,  *ビエンチャン ,  ラオス ,  *ラオス平野 ,  稲作 ,  開田 ,  自然条件 ,  世帯 ,  天水田 ,  *都市近郊 ,  農業組織

分類 (1件)： 人文地理学  (DF02000G)

引用文献 (38件)：

• 荒木康紀. 水利用の効率化によるラオスの低地水田作の持続的な発展. 農業および園芸. 2003, 78, 1178-1187
• 荒木康紀. ラオスの稲作-急がれる種子改善対策その1. 農業技術. 2004, 59, 29-34
• 石井敦. モンスーンアジアの小規模ポンプ灌漑事業における農民水利費負担の実態. 農業土木学会論文集. 2005, 238, 353-361
• 小野映介. ヴィエンチャン平野の天水田農業を取り巻く自然環境. ヴィエンチャン平野の暮らし-天水田村の多様な環境利用. 2008, 31-46
• 海田能宏. 東北タイ・ドンデーン村-稲作の不安定性. 東南アジア研究. 1985, 23, 252-266

タイトルに関連する用語 (8件)： ラオス ,  平野 ,  農村 ,  水田 ,  拡大 ,  過程 ,  首都 ,  ビエンチャン