抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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横浜市では,東京湾の富栄養化対策として,嫌気無酸素好気法(以下,A
2O法)施設の導入を推進している。A
2O法は雨天時のりん除去性能低下という課題を抱えており,放流水質基準をクリアするには何らかの対策が必要である。そこで我々は,雨天時りん除去悪化抑制対策の検討を行ってきた。その結果,雨天時に処理水量を増加させると同時に循環ポンプを停止し嫌気槽を大幅に延長することで,りん除去悪化を大幅に抑制することができた。本稿ではA
2O法における雨天時りん除去変動のメカニズムを解析し,雨天時の最適運転条件を検討するため,上記検討時に収集したデータを用いて活性汚泥モデルを構築し,様々な条件でシミュレーション解析を行った。その結果,雨天時りん除去悪化の原因は,好気槽りん摂取能力の低下に加えて,りん蓄積細菌の細胞内PHA量低下に起因する蓄積りんの流出にあることが示された。また,雨天時りん除去悪化を抑制させるには,嫌気槽HRTの大幅延長,好気槽HRTの短縮,好気槽DO濃度の抑制が有効であり,これらの条件の最適化により,雨天時りん除去悪化をほぼ完全に抑制できる可能性が示された。さらに,最適運転を実現するためには,雨天時の循環ポンプ停止や循環率変更,槽配分変更,水量増加,空気量抑制といった条件設定が可能な施設設備を整える必要があるため,その条件について整理した。(著者抄録)