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J-GLOBAL ID:201002236374292753   整理番号:10A0378869

海洋細菌から日本人の腸内微生物叢への糖質関連酵素の伝達

Transfer of carbohydrate-active enzymes from marine bacteria to Japanese gut microbiota
著者 (12件):
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巻: 464  号: 7290  ページ: 908-912  発行年: 2010年04月08日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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ヒト腸内微生物叢は,摂取された食物中の多糖類からのエネルギーをヒトに供給しているが,それはヒトゲノムには存在しない糖質関連酵素群,すなわち糖に対して活性をもつ酵素(CAZyme)群を介している。これらの酵素は,ヒトの進化過程を通してずっと主要な食料となってきた,陸生植物由来の多糖類に作用する。腸内微生物叢のCAZyme類は極めて多様で,例えば,ヒト腸の共生細菌Bacteroides thetaiotaomicronにはグリコシドヒドロラーゼとポリサッカライドリアーゼが261種類含まれ,さらに,デンプンの利用にかかわる2種類の外膜タンパク質をコードする遺伝子susC,susDの相同体が208種類も存在する。このような多様性が,腸外微生物からの新しい遺伝子の獲得によってどのように進化してきたのかは根本的な問題だが,我々の知るかぎり,これまで研究されていない。今回我々は,バクテロイデス門に属する海洋細菌Zobellia galactanivorans由来のポルフィラナーゼ類で,アマノリ属Porphyraの海洋紅藻がもつ硫酸化多糖類ポルフィランに作用するものの性質を初めて明らかにする。さらに,このポルフィラナーゼ類とアガラーゼ類や関連タンパク質をコードする遺伝子が,日本人から単離された腸内細菌Bacteroides plebeiusに伝播されていることを示す。腸内メタゲノムの比較解析により,日本人にはポルフィラナーゼとアガラーゼが高頻度でみられ,北米人のメタゲノムデータにはこれらが存在しないことがわかった。日本では日常摂取する食物として海藻類が重要であり(1人当たり14.2g/日),なかでもノリ類(Porphyra spp.)は,栄養的に最も重要な海藻であり,伝統的に寿司の材料として使われてきた。このことは,ヒト腸内細菌がこれらの新規なCAZyme類を獲得するに至ったルートが,海洋細菌の付着した海藻である可能性を示しており,滅菌されていない食物との接触が,ヒト腸内細菌叢のCAZyme類の多様性をもたらした一般的な要因である可能性を示唆している。Copyright Nature Publishing Group 2010
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