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J-GLOBAL ID：201002236464546665   整理番号：10A0002828

バイオ燃料を木材からナノテクで生産する-セルロースの構造特性を利用した酵素糖化前処理技術-

著者 (1件)： 遠藤貴士 (産業技術総合研 バイオマス研究セ)
資料名： Synthesiology  (Synthesiology)
巻： 2  号： 4  ページ： 310-320  発行年： 2009年11月 
JST資料番号： L6839A  ISSN： 1882-6229  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： セルロース系バイオマスは,トウモロコシなどのデンプン系バイオマスと比較して,炭酸ガス削減効果が高いと言われている。バイオエタノールは,原料から得られた糖を酵母等で発酵することにより製造される。そこでは,最初に木材中のセルロース等をグルコースにまで加水分解(糖化)する必要がある。そのためには,酵素糖化のための前処理が必要である。粉砕処理は効果的な前処理技術の一つである。著者らは今回,経済的な粉砕前処理方法として,湿式メカノケミカル処理技術を開発した。この技術では,セルロース成分はナノサイズの繊維にまでほぐされる。生成したナノ繊維は,セルロースの結晶性を保持し,リグニンが残存しても高い酵素反応性を示す。著者らが開発した前処理技術は,木材やセルロースのもつナノ構造の特徴を活用した方法と言える。

シソーラス用語： *木材 ,  生物燃料 ,  酵素的分解 ,  *糖化 ,  前処理 ,  技術開発 ,  ナノテクノロジー ,  *セルロース ,  バイオマス ,  減少 ,  環境保全 ,  湿式粉砕 ,  メカノ化学 ,  ナノファイバ ,  結晶度 ,  二酸化炭素排出量削減 ,  酵素的糖化
準シソーラス用語： バイオ燃料 ,  二酸化炭素削減 ,  酵素糖化

分類 (3件)： 木材化学  (FF05040V) ,  微生物代謝産物の生産  (FK03020A) ,  生物燃料及び廃棄物燃料  (LB02020Y)

引用文献 (15件)：

• [1] A. E. Farrell, R. J. Plevin, B. T. Turner, A. D. Jones, M. O'Hare and D. M. Kammen: Ethanol can contribute to energy and environmental goals, Science, 311, 506-508 (2006).
• [2] J. F. Saeman: Kinetics of wood saccharification-Hydrolysis of cellulose and decomposition of sugars in dilute acid at high temperature, Ind. Eng. Chem. Res., 37, 43-52 (1945).
• [3] 志水一充: セルロース系物質の酵素加水分解, 機能性セルロース,195-229,シーエムシー出版,東京 (1985).
• [4] 遠藤貴士: メカノケミカル反応による新規セルロース系複合材料, Cellu. Commun.(セルロース学会機関誌), 7 (2), 63-66 (2000).
• [5] 遠藤貴士,張 発饒,篠原由寛: 成形材料としてのセルロース, Cellu. Commun. (セルロース学会機関誌), 9 (2), 86-92 (2002).

タイトルに関連する用語 (7件)： 燃料 ,  木材 ,  ナノテク ,  セルロース ,  構造特性 ,  酵素糖化 ,  前処理