抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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シジミチョウ科ミドリシジミ類の2種,ハヤシミドリシジミ(Favonius ultramarines),メスアカミドリシジミ(Chrysozephyrus smaragdinus)の翅の背表面にそれぞれ,青緑色,黄緑色の金属光沢が観察された。透過型電子顕微鏡(TEM)観察からF.ultramarinesの上層鱗において17層の,C.smaragdinusでは9層のサブミクロン・スケールの電子密度の高い層と低い層の存在が明らかになった。上層鱗の縦断面構造に特性マトリクス法を適用することにより,F.ultramarinesで500nm,C.smaragdinusで580と720nmにそれぞれ反射率のピークが得られた。これらのピークは白色光下でそれぞれの種に観察された反射光とよく一致した。このようにシジミチョウ類2種の色は上層鱗の多層膜反射によって引き起こされていた。これら2種のシジミチョウ類の翅に特有な構造色は求愛行動,あるいは鳥などの捕食者に対する目くらましとして機能していると考えられる。(著者抄録)