抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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合成開口レーダ(Synthetic Aperture Radar:SAR)は,航空機,衛星などの移動プラットフォームに搭載して観測を行い,対象の二次元の高分解能画像を得る画像レーダである。SARは天候,昼夜によらず観測が可能であるため,災害監視,地形図作成,土地利用調査,海上監視などへの活用が期待されている。このようなSARの有効性が認識されるにつれて,建物や車両などの地上構造物の画像化も可能となる高分解能なSARのニーズが高まっている。三菱電機は世界トップレベルの10cm分解能の航空機搭載合成開口レーダを国内で初めて開発し,フライト試験によって10cm分解能が得られること,さらに車両などの目標の大きさや形状をレーダ画像から判読できることを確認した。また,高分解能画像の高度な活用例として,地表面の微小な変化の検出を可能とするコヒーレント変化抽出の技術を開発した。これは,同一の地表を異なる時刻に観測し,観測時刻間に生じた地表変化を検出する技術である。電波画像の輝度だけでなく,位相情報をも利用することによって,レーダ波の波長オーダー(cmオーダー)の微小変化を抽出することが可能となる。しかし,2回の観測間でプラットフォームの移動軌道に差があると,その差による位相差も生じる。そこで,軌道差による位相差成分を観測画像から取り除き,地表面変化による位相差成分のみを抽出する信号処理アルゴリズムを開発した。航空機フライト試験で,小型車両の通行跡を自動的に抽出することに成功した。(著者抄録)