抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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好熱性水素細菌から3種類のアミノトランスフェラーゼを精製し,蛋白質アッセイやアミノ酸分析などにより特性化した。本菌は水素を酸化する化学独立栄養細菌で,炭素や窒素同化をするというユニークな特性をもつ。精製したアミノトランスフェラーゼAT1,AT2およびAT3は,それぞれグルタミン酸:オキサロ酢酸アミノトランスフェラーゼ,グルタミン酸:ピルビン酸アミノトランスフェラーゼ,アラニン:グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼの活性を示し,AT1とAT2は,グルタミン酸:グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼ活性も示した。アミノ酸配列系統発生解析をしたところ,AT2はアミノトランスフェラーゼファミリーIVに分類されたが,グルタミン酸:ピルビン酸アミノトランスフェラーゼやグルタミン酸:グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼは,アミノトランスフェラーゼファミリーIγに分類される。ATIIIはファミリーIに分類されたが,ファミリーIVに分類される真核生物のアラニン:グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼとは離れていた。Thermococcus litoralisのアラニン:グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼはファミリーIに属する唯一の酵素であるが,この酵素とAT3は同じファミリーI内にいるものの由来は別であった。両酵素には高度相同配列もなく,仮説の基質結合残基もなかった。細菌由来のグルタミン酸:グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼやアラニン:グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼの一次構造を初めて報告し,従来の真核生物のアミノトランスフェラーゼと系統発生的にも異なる新しいタイプのものであることを示唆した。