抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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太陽光/熱ハイブリッドソーラーパネルは光発電と集熱を同一受光面で行うパネルで,太陽光発電(PV)と太陽集熱器を積層化し,受光面積当たりにの太陽エネルギーの利用効率を高めることを目的としたものである。標準パネル(積水化学製:770mm×780mm)は,最下面に集熱板を配し,その背面に楕円断面の集熱媒体導管を平行に溶接して,上下の水平なヘッダーで集合している。この集熱パネルの上に厚さ3.2mmの半強化ガラスにラミネート被覆されたPVアレイ(多結晶シリコン)がEVA(エチレンビニールアセテート)により貼り合わせて一体化されている。また,断熱空気層内の対流を制御するために,直行格子を断熱空気層に挿入した。集熱性能試験はソーラーシミュレータ(クセノンランプ8kW×20灯)を用い,日射量は400~1,200W/cm
2,パネルは水平からの傾斜42°で設置し,パネル面に対し法線方向から光源を入射させた。集熱媒体は上水で流量1kg/分,温度10,30,40,50°Cとし,送風機によって風速3m/sの空気をパネル全体に送った。パネルの性能はJIS A 1425に準拠して集熱効率特性線図で表される。ΔΘ(集熱媒体の平均温度と外気温の差)/I(入射強度:W/m
2)が大きい時は,集熱媒体温度が高いか,外気温が低いことを表す。寒冷地の冬期はΔΘ/Iが大きい条件での運転が強いられるため,この条件下でいかに高い効率が維持できるかが,開発の評価基準となる。発電効率は日射量に依存し,1,000W/m
2程度で極大となった。また,パネル入口温水温度が50°Cから30°Cになると発電効率が2.3ポイント(1,000W/m
2時)上昇した。ハイブリッドソーラーパネルでは集熱媒体によりパネルが冷却され,PV単独パネルよりも発電効率が向上することが期待できる。寒冷地におけるハイブリッドソーラーパネル適用におけるもう1つの問題は積雪である。積雪を滑落除去する方式(住宅密集地では適用が難しいが)について,積極的に積雪下面を加熱する方法を検討し,貯湯槽に貯めた温水の熱を集熱媒体(プロピレングリコール)と熱交換して循環し,集熱面を加熱する方法が,高い熱入力を容易に実現できる点(+システムのハードウェアの変更が不要な点)で優れていることがわかった。