抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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1955年に国家事業として精英樹選抜育種事業が開始され50年あまりが経過した。この間,全国でスギ,ヒノキ,アカマツ等の造林樹種の人工林および天然林から成長や幹の形態などの形質がとくに優れた個体が精英樹として約9000本選抜された。精英樹クローンを用いた採種(穂)園が全国に造成され,事業用種苗の生産が行われている。スギ,ヒノキではこれらから生産された苗木が山行苗木の約75%を占めている。事業用種苗生産が開始されると同時に,同じ種苗で全国の国有林,民有林に次代検定林が造成された。このような次代検定林を調査して得られた精英樹の成長形態や材質形態の特性情報は精英樹特性としてデータベース化されている。本報は,特性情報にもとづいて開発した成長・材質の優れた品種の関東育種基本区の事例を中心に紹介した。選抜されたスギ精英樹416クローンの中から成長の優れた15クローンを選定した。ヒノキ精英樹では16家系を成長の優れた品種とした。これらの品種の特性を在来系統と比較した。その結果,スギ・ヒノキのいずれも成長の優れた品種は在来品種を10%程度上回る成長を示した。これらの品種は成長形態が優れており,材質等他の重要な形質も平均以上であることから,既存の採種(穂)園に導入して改良し,優良種苗生産に役立てることができることを示した。