抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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自動車への多種多様なニーズを左右する一つの要因として,個人の運転技能に基づいた感情状態の変化が挙げられる。従来研究の多くは,外的刺激に誘発された感情を分析してきたが,認知情報処理のパフォーマンスレベルによって変化する感情に関する知見は乏しい。そこで本研究は,個人の運転技能向上に伴ったポジティブな感情の増減を生体情報から推定することを目的として,運転シミュレータ走行時の脳波計測を行った。アンケート結果は,運転の達成感と主観的楽しさが有意に相関すること,それに伴ってラップタイムが速くなるフロー状態を示した。前頭から頭頂に置かれた脳波9電極におけるシータ波(4~8Hz),アルファ波(9~12Hz)のスペクトルパワー値を変数とした線形判別分析を行った結果,87%の確率でフロー状態の推定に成功した。以上の結果から,シータ波とアルファ波の組み合わせは運転技能の向上に伴う喜びと満足度を推定する指標になりうることが示唆された。(著者抄録)